ちらしのうらのせかい

特撮のことから日常のあれこれまで、気ままに綴っていきます

仮面ライダーガッチャード第13話「とりもどせ!ユージョーXフォーエバー!」感想

前回分はこちら。

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錬金連合の上層部

 錆丸を救うためにミナトが救援を要請しても、救出は不可能だからさっさと残りのケミーを捕まえてこいという錬金連合のお偉方。
組織の上層部が腐ってたパターンは令和ライダーに限ってもセイバーやリバイスでも見たので、正直お腹いっぱい感はあります。たまには上層部もまともな組織が見たい…笑

 

ユーフォーエックスによる錆丸救出劇

 今回個人的に一番引っかかったのは、錆丸がドレッドに変身するくだり。錆丸が次にドレッドに変身したら命を落とすと冥黒の三姉妹が言っているのにもかかわらず、宝太郎たちがずっと棒立ちで「錆丸先輩!」とか「サビー!」と叫ぶだけで物理的に錆丸を止めようとしないのはすごく違和感がありました。百歩譲って変身できないりんねや蓮華はともかく、宝太郎は真っ先に変身して止めに行くべきところでしょ。
結果的にはユーフォーエックスで変身したスーパーガッチャード(クロスユーフォーエックス)の能力で錆丸とドレッドを分離させることに成功した訳ですが、クロスユーフォーエックスの見た目があまりにダサすぎて…良く言えば一発でUFOであることは分かるんだけれども。
あとクロスユーフォーエックスに変身できるようになった経緯が雑なのも消化不良感をより増加させてますね…前回ユーフォーエックスにいきなりエクスガッチャリバーを渡された理由も分からないし、宝太郎がもう一度会いに行ったら認めてくれたというのも意味が分からないし、そもそも宝太郎がユーフォーエックスなら錆丸を助けられると信じた根拠も分からないしで、総じて脚本の都合で動かされてる感がすごかった。

 

大物錬金術師とは

 今回ラストの方でミナトが、宝太郎は大物錬金術師になれるかもしれないと言っていましたが、そもそもミナトのいう錬金術の定義ってどんな状態を指してるんですかね。
りんねたち他の錬金術師と同様に生身の状態で指輪をはめて呪文詠唱することが錬金術を使っているということなのか、それとも仮面ライダーに変身して戦うこと自体も錬金術を使っているということなのか。
前者であれば、宝太郎は錬金術を生身で使ったことはないですし、これまでの話を見ていてもまだまともに錬金術の勉強もしてないので、そういう台詞を言っても全然説得力がなくて響かないんですよね。
後者は正直暴論というか、錬金術使ってる感0なので納得しづらいです。それこそウィザードみたいに変身後も指輪使って魔法で戦っているみたいな戦い方をしていればまだ納得できるんですけど、そういう訳でもないですし。

 

さいごに

 そういえば、消された英語教師はあのままなのかな…

 

 

 

仮面ライダーガッチャード第12話「暴走ライナー!暗黒ライダー!」感想

前回分はこちら。

 

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三姉妹の崇拝者

 針馬は洗脳された訳でもなく、冥黒の三姉妹と互いがWin-Winになるような取引をした訳でもなく、純粋に冥黒の三姉妹を崇拝して錬金アカデミーを裏切ったような口ぶりでした。しかしアトロポスに始末されるときに命乞いしていたのを見るに、自ら進んでギフテリアンになったデッドマンズの狂信者のようなタイプではなく、冥黒の三姉妹が暗黒の扉を開けることによって得る力のおこぼれに預かろうとしている、結局は冥黒の三姉妹を崇拝しているようでただ力を求めているだけの人だったなと。そういう人間性も見抜かれていてかつ、10年前に錬金術師の間で起きた事件についても口を滑らせかねないと思われたが故にアトロポスに消されたんでしょうね。アトロポスはあの能力で人間を始末できるなら宝太郎をはじめ錬金アカデミーのメンバー瞬殺できるのではと思うけど、わざわざ泳がせとくのはなぜなんですかね。

それはそれとして、針馬が宝太郎に言っていた「錬金術がなんたるかも知らないくせに」はその通りすぎて笑ってしまいました。もう1クール目終わりだよ…?

 

仮面ライダードレッド

 先週の感想でも少し触れていた仮面ライダードレッドの変身者ですが、錆丸でしたね。錆丸が実験体として選ばれたのはケミーの知識が豊富だからそれを利用しようとしているというのはまあ分かるとして、なぜ仮面ライダーとしての名前を与えられたのか。ガッチャード世界では「人間とケミーの多重錬成=仮面ライダー」というのが仮面ライダーの定義であるため、1枚使用のドレッドは仮面ライダーに該当しないような気がするんですがその辺りがよく分からず。
仮にそこの説明がついたとしても、今年は仮面ライダー1人で行きますみたいなことを言っておいて、こんなあっさり2人目のライダーを出すのなら最初からヴァルバラドも仮面ライダーで良かったのでは?と思ってしまう。仮面ライダーの名を冠するかどうかを分ける意味も現状感じないですし。

あと、生身でボコられる宝太郎が体を張って錆丸を説得する展開をやるなら、これまでの話でもっと宝太郎と錆丸の交流をしっかり描いておいてほしかった。現状一緒にケミー捕りに行ったくらいの思い出しかないし、それってりんねも蓮華も一緒だから錆丸ならではの要素がないし。

 

さいごに

 結局なぜ「これから起こることはりんねのせい」なのかまだ明かされてないんですけど、父親の風雅が10年前に何かりんねのためにやったことが引き金になってるとかそんな感じなんですかね。針馬も10年前のこと知ってる素振り見せて始末されてたし。個人的にはこれがいつ明かされるかより、納得できる理由づけがされるのかの方が気になってます。

 

 

 

仮面ライダーガッチャード第11話「キャッチ!スパイだ!?ライダー失格!?」感想

前回分はこちら。

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雑に消化されていく新フォーム

 これまでも時折触れてきましたが、今回も冒頭でケミー捜索・回収と申し訳程度の新フォームのお披露目をしていました。
こんなやっつけで出すくらいなら大風呂敷広げるのやめればいいのにと思うけど、財団Bがそれを良しとしないんでしょうね…そもそもこんな一瞬しか出番のないものを子どもたちは欲しがるのかな。(今作はトレカがメインなので人気ないやつが売れ残りみたいな事態は起きにくいとは思いますが)
それにしてもずっとケミー回収ばかりしていていつになったら錬金術学ぶんだ彼らは…(特に宝太郎)

 

スパイ疑惑

 錬金連合から釘宮と針馬2名の調査官が「組織の中にいるスパイの捜索」という名目でやってきた今回。先週の感想にも書いた通り、案の定このスパイ騒動自体はあっさり犯人が判明しましたが、その正体が今回出たばかりの新キャラである針馬だったのは話の作り方として上手じゃないなと思います。
というのも、スパイの正体が針馬であっても釘宮であっても視聴者からしたら現時点ではぽっと出のキャラなので、そんなキャラが実は組織の裏切り者でした!とか言われてもふーんとしかならないんですよね。端的に言えば感情が全く揺さぶられない。
これをやるのなら釘宮と針馬を登場させた後もっとキャラを掘り下げて視聴者に浸透させてからやるべきだった。
しかもスパイの正体判明の仕方も、なぜかスパイダーマルガムになっているのを倒された直後に針馬自らが自白する形で、決定的証拠を押さえつけられて逃げることも弁明することもできない状態ではないのに、なぜあのタイミングで自白をしたのかが不可解。最初から正体を隠すつもりないなら初戦の時点で明かして問題なかったし、隠し通したいならあのタイミングで自白する意味が分からない。どちらにしても中途半端。

 

さいごに

 レベルナンバー10を支配してはならないというケミーの掟が明かされたり、冥黒の三姉妹が新たなドライバーを完成させたりと本筋は少し動いてきました。
冥黒の三姉妹が作ったドライバーで次回誰かが仮面ライダードレッドに変身するようですが、次回予告で蓮華が錆丸のタブレット持ってたのを考えると錆丸が変身する可能性割とありそう。ただ、アトロポスりんねに「これから起こることは全て、君のせいだよ」と言ってたのも気になっていて。りんねに強制的に変身させるという意味なのか、別の誰かの変身するきっかけを生み出してしまうという意味なのか。

 

 

 

仮面ライダーガッチャード第10話「炎の京都!〜悲恋・ケミー雷電事件〜」感想

前回分はこちら。

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「ケミーの心が分かる」の説得力

 現状登場しているケミーは宝太郎との出会いがろくに描かれてないケミーが多く、既に手に入れているケミーを使って即興で変身するみたいなパターンが多いので、それで宝太郎はケミーの心が分かるとか言われても正直説得力に欠けるんですよね。百歩譲ってホッパー1に限っての話であれば、まだ納得できなくもないんですけど。
これって例えばポケモンで言えば、ヒトカゲゼニガメフシギダネのポジションのポケモンをゲットしたり交流したりする話が端折られて、いきなりこれらのポケモンでサトシがバトルをするところを見せられて、「サトシにはポケモンの心が分かる」とか言ってるのと一緒で。何を根拠にそれを信じられるのか、その拠り所となるものが描かれていないのでどうしても嘘臭く見えるんですよね。宝太郎がケミー信者になった経緯についてもまた然り。

また、今回宝太郎がケミーだけでなく人の心も救うために加治木に聖を説得させていましたが、わざわざ聖がマルガムになっている状態でやる理由が分からない。これだと加治木を命の危険にさらすだけだし、ケミーを分離させてから説得させるのではダメな理由が見つからないんですよね。


運命の出会い

 加治木の聖への恋模様について、兄の剣を彼氏と勘違いした誤解は解けたもののこのまま思いは成就せず(聖に「加治木くんのことは趣味の合うお友達だと思ってて、そういうつもりはないんです」と言われるなど)にギャグ的なオチにされて終わるのかなと思っていましたが、ケミーに関わったために2人とも記憶を消された後また偶然出会い直すという展開はベタながらも今後への希望を持たせる感じで微笑ましいなと思いました。
宝太郎より加治木の方が感情移入できるし、加治木役の加部亜門さんの演技も上手いので個人的に好きなキャラですね。

 

さいごに

 ガッチャードや宝太郎の活躍としては首を傾げる部分がありましたが、修学旅行の中での加治木の恋物語という部分に関しては良かったんじゃないかと思います。一方で、修学旅行なのに最後まで加治木以外の学校のクラスメイトが出てこなかったので、そこはもったいなかったなと。
次回は組織の中にスパイがいるという話みたいで、某令和ライダーが頭を過りましたがまあいいでしょう。ガッチャードの場合このスパイ騒動は良くも悪くもそんなに引っ張らなさそうな気もしますが。

 

 

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仮面ライダーガッチャード第9話「ダッシュで京都!修学旅行!」感想

前回分はこちら。

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ケミーの二重錬成

 今回ラケシスがスパナ(ヴァルバラド)との戦いでケミーの二重錬成をしていましたが、あれができるならなんで4話とか前回戦ったときは使わずに撤退したのかがよく分からない。別に今回新たに手に入れた能力って訳でもなく、ラケシスが元々固有で持っていた能力っぽそうですし。
結果的にヴァルバラドもさらっと三重錬成をやってのけましたが、多重錬成ってガッチャード特有のものではないんですかね…?


置いていったライドケミーカード

 今回の京都修学旅行にあたって、宝太郎は授業の一環だからという理由でライドケミーカードを錬金アカデミーに置いてきていました。これだけ見るとりんねが言ってたように「変なところだけ真面目だな」という見方になるんですけど、ライドケミーカードは置いてきている一方でガッチャードライバーは持ってきてるのが個人的に引っ掛かっていて。
授業に関係ないものは持っていかないからライドケミーカードを置いてきたという理屈ならガッチャードライバーも置いてきていないと筋が通らないし、どういう意図でドライバーだけ持ってきたのかが謎。カードもドライバーも両方置いてきて、どちらも先輩コンビに持ってきてもらうじゃダメなんだろうか…
りんねが持ってた2枚のカード(ヤミバット、レンキングロボ)が例によってポッと出だったのも登場ノルマ消化してる感しかないし。


ちなみに余談ですが、東京(東映撮影所と仮定)から京都の東映太秦映画村まで約477km。先輩コンビはゴルドダッシュを使ってきたので、法定速度や信号待ち、渋滞といった要素を一旦考慮せずゴルドダッシュの最高時速(285km)でかっ飛ばしてきたとすると約1時間40分。長旅お疲れ様です。

www.tv-asahi.co.jp

 

加治木の一目惚れ

 修学旅行先の京都で、同じオカルト雑誌に投稿していた姫野聖と出会い一目惚れをした加治木。その雑誌には当時加治木が小4、聖が中1とあったので加治木からすると3つ上のお姉さん。いや~、同じ趣味があってあんな美人のお姉さんに会えたら舞い上がる気持ちは分かる。
一方で、聖からすると加治木は恋愛感情ではなく「同じ趣味のお友達」的な見方しかされてないような感じがしていてこれは悲恋の匂いが…
今回ラストで聖が抱き合ってた相手は兄の剣ですが、加治木は恐らく彼氏だと勘違いしているので、次回はそこの誤解が解けて一安心したところで、聖は加治木のことを友達としか見てないことを知り玉砕、みたいな流れになるんじゃないかと予想してます。


さいごに

 京都の修学旅行という要素は、個人的には良かったと思います。宝太郎、りんね、加治木の3人でグループを組んでわちゃわちゃやってる感じは高校生らしい一面を感じましたし、タイアップ感丸出しの説明台詞は昔の東映特撮を思わせる雰囲気でどこか懐かしいものがありました。
一方で、上でもいくつか述べたように話の本筋に近い部分で辻褄が合わず引っ掛かる部分は依然としてあるので、もっと丁寧に話作りをしてほしいなとも思います。

 

 

仮面ライダーガッチャード第8話「グレイトなきずな」感想

前回分はこちら。

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ミナトの指摘

 今回ミナトが宝太郎に「一ノ瀬、お前がケミーと少年を無理矢理引き合わせたことで、親子の仲が引き裂かれた」と言ってましたが、サボニードルと理玖が会ったのは宝太郎関係ないですよね?
仮に「ケミーと少年を無理矢理引き合わせた」というのが一度宝太郎たちに引き渡したサボニードルと理玖を再会させたことを言ってるのだとしても、その時点で既に親子の仲は引き裂かれていた後だったから指摘としては筋違いだし。
だからあのセリフをどういう意図でミナトに言わせたのかが私には正直全く分からない。


サボニードルの逃げた理由

 前回ラストでサボニードルに逃げられたせいで空中に生身で放り出された宝太郎は、スパイクホエールという新フォームに変身することで事なきを得ていましたが、結局なんでサボニードルはあの場で逃げたんですかね?もし逃げた理由が理玖と離れたくないからだとしたら、わざわざ宝太郎の命を危険に晒すあのタイミングで離れた意味が分からない。
結局制作的な都合で、宝太郎がピンチのところで前編の引きにしたいのと、新フォームの登場ノルマ消化のための場面作りをしたいがための強引な話運びにしか見えない。それにスパイクホエールに使ったケミーたちも例によっていつの間にかゲットしてたケミーなので正直「ふーん」以上の感想が出てこない。


歪んだ父親の愛

 今回のドラゴンフライマルガムの正体は理玖の父親でした。理玖がサボニードルと出会ったことで塾の遅刻が増えたり成績が安定しなくなったりしているので、彼らの関係を絶たせたいという理由は分かる。ただ、それを前編の時点で明かさずただの舞台装置として描く意図が私には分かりませんでした。
それに、ガッチャードに倒された後急に人が変わったように善人になったり、これまでやぅたことがお咎め無しで終わったりしたのも意味が分からない。ケミーはあくまで人間の悪意に巻き込まれて暴れてしまうという位置付けなので、倒されてケミーと分離したから性格も浄化されましたというロジックは筋が通らない。制作陣はこの作品の設定ちゃんと理解してるのかな…

 

さいごに

 なんかもういろいろ雑すぎますね。サボニードルと理玖が友達になった話も先週時点でやっていれば宝太郎のおせっかい感もここまで酷くは感じなかったんじゃないかと思います。
次回は修学旅行回で京都行くようなので、少しは高校生設定らしい話が見られるのかな。

 

あとどうでもいいけど今回最後の錬金アカデミーのシーンでサボニードルに話しかけてた宝太郎の目がガンギマリで怖かった。

 

 

 

仮面ライダーガッチャード第7話「さよならサボニードル」感想

前回分はこちら。

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いつの間にか仲間になったケミーたち

 今回冒頭で宝太郎がスマホーンに「仲間になったばっかりだけど、一緒にガッチャしようぜ」と話しかけていました。スマホーンやその直後に出てきたピカホタルって前回時点では出ていないケミーなので前回と今回の間に入手したものだと思われますが、全てのケミーと仲良くなるのをメインテーマとして掲げておきながら、その過程を端折って視聴者の見えないところでいつの間にか新しいケミー入手してるのは個人的にはなんか釈然としません。完全にケミーの数多すぎてもて余してるの丸出しじゃないですかこれ。
カニカニ捕まえるときもわざわざ変身する必要なかったのに、スマホタルの登場ノルマこなすためだけに出してるようにしか見えないし。

 

雑なマルガム化

 今回マルガムになった男も、そこに至るまでの流れがすごく雑でした。何が原因であんな「俺が絶対正しいマン」になったのかも描かれないままマルガムになって理玖を狙ってましたが、あれじゃただの舞台装置でしかない。
今回前編だったので、もしかしたら来週この辺りの種明かしがされるのかもしれませんが、これまでの傾向を考えるとあまり期待できなさそう。
理玖とサボニードルの関係についても、理玖がサボニードルを大切に育てた様子とかサボニードルへの思い入れみたいなものがほとんど感じられなくて、すぐそこで捨てられた得体の知れないものを拾って交番に届けたくらいの扱いでしかない。そんな中で宝太郎はケミーに関する掟に対して「小学生だから大丈夫」という謎理論を展開し、理玖に対しては(サボニードルを宝太郎たちに渡して)本当にそれでいいの?みたいなこと言ってるのが違和感でしかない。
そもそも、サボニードルを宝太郎たちに渡した後理玖の記憶を消さずにそのまま帰してるのも意味が分からないんですけど。

 

さいごに

 今回ガッチャードが始まって初めての1話完結じゃないエピソードでしたが、これ2週かけるほどのエピソードか?というのが正直な感想。2話エピソードにするならもっと話の山場になるようなときにやった方が良かったでしょ。(公式サイトにはスピンオフの撮影の影響とかなんとか書いてありますが)

www.kamen-rider-official.com

あと上で述べてきたことの他に、ピカホタル捕獲の手柄について言い争っているときに「仮面ライダーに変身するのはルール違反」と急に言い出したりとか、ケミーを捕まえないと成績がピンチだと言い出したりとか、錬金術の口上のことを呪文と言ってたりとか(錬金術に関しては今回より前の回でも魔法みたいな扱いされてますが)、フラスコの中の悪意とかいう謎の概念が出てきたりとか、前回までと設定変わったのかと思ってしまうほどの唐突な設定が生えてきたのも話の作りとしていけてないなと感じました。

 

 

 

仮面ライダーガッチャード第6話「超A級☆ネジれスター」感想

前回分はこちら。

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スパナへの嫉妬

 超A級錬金術師を決める最終試験でスパナに敗れたことで逆恨みした鉛崎ボルト。
錬金術師の家系に生まれたことがプライドという名の足枷になり、スパナにも絶望的に才能がないと烙印を押されたことで彼の目的が超A級錬金術師になることからスパナへの復讐を果たすことにすり替わっている。
まあスパナに粘着したところで超A級錬金術師になれる訳でもないんですけど、蓮華の言う心のちっさい惨めな連中の典型ですね。
それでいて終始スパナの眼中には入っていないのもまた不憫というか。
名前もスパナを意識したようなネーミングで、1話だけのゲストキャラで片付けるには濃い目のキャラですが、再登場するのかな。そもそも記憶を消されてしまったのでそこをどうするかという問題がありますが。

嫉妬という意味では宝太郎もスパナに対して嫉妬心を燃やしており、本人も蓮華の言葉でそれを自覚したようですが、宝太郎は普段から言動や思考が幼いのに嫉妬だけはいっちょまえなのであまり好きになれないんですよね、キャラとして。小学生くらいなら可愛げがあるんだけど。


さいごに

 正直今回はあまり語ることがない回でした。上記のボルトや嫉妬の話以外だと、戦闘シーンの話になりますがヴァルバラドが空中のホークマルガムに対抗できるようにガッチャードがスチームホッパーのキックでアシストしてたところくらい。宝太郎とスパナの微妙な距離感の中での共闘としてあれはあれでありかなと思いますが、スパナは今後すぐに良い奴キャラ化するよりは宝太郎たちと今くらいの距離感を保ってほしいと思います。珠美に対して「厨房お借りします」と言ったり、それなりに対外的な礼儀は身に付いてる人っぽいのは分かりますし。
まあそれはそれとしてスパナはラケシス追い出すために吹っ飛ばした一般女性宅のソファーとテーブルはちゃんと弁償すべきだと思うけど笑

 

 

 

仮面ライダーガッチャード第5話「燃えよ!斗え!レスラーG!」感想

前回分はこちら。

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学校と部活

 冒頭の宝太郎と珠美の会話で、錬金アカデミーのことを部活と明言していました。こういうのを見ると、やっぱり最初から学校扱いにせずに部活という設定にしておいた方が良かったのではと思いますね。実際あれを学校というには無理あるし。

 

グリオン様と冥黒の三姉妹

 今回の冥黒の三姉妹との会話で、彼女らの後ろにグリオンという存在がいることが語られました。様付けで呼ばれていることや怒らせたら怖いというセリフから、冥黒の三姉妹よりも上位の存在であることは分かります。
「ケミーが人間の悪意に引き寄せられるのをただ待つだけじゃ不十分だってグリオン様が言っている」とラケシスは言っていましたが、実際現状の冥黒の三姉妹って言うほどガッチャードライバーを積極的に狙いに行っている感じでもないし、目的と行動が噛み合ってないように見えてしまう。
マルガムを生み出すことはグリオンのご機嫌とりなのだとしたら、待ちの姿勢なのは理由が分からないし、それ以外の目的も特段見えない。

 

レスラーとしての夢

 前回の感想で、マルガム化する一般人の扱いが適当だという旨の話をしましたが、今回はこれまでの回よりそこが掘り下げられていたので個人的には割と満足でした。
今回クロトーに唆されマルガムとなったゴーレム剛力は、相手レスラーだけでなく観客にもケガを負わせて刑務所送りになった元プロレスラー。そしてそんなゴーレム剛力にジムの期待の星を再起不能にされ、その影響で入門者もいなくなってしまった旭さん。
ゴーレム剛力に夢を奪われた旭さんがレスラーGと出会い、レスラーGと心を通わせたことにより新たな夢を見つけ、それを実現する。宝太郎もレスラーGが憑依して現役時代の身体能力を取り戻した旭さんの特訓を受け、一度は敗れたゴリラマルガムへのリベンジを果たす。これらが1話の話の中で描かれていたのは良かったです。
また、一般人からケミーの記憶を消すという錬金術師の掟が旭さんとレスラーGの別れの切なさを演出していてドラマ的にも意味のあるものだったのも好印象。
欲を言えば、ゴーレム剛力は根っからの暴力キャラにするのではなく、レスラーとしての何か夢に対して挫折して自暴自棄になったという方が、旭さんとの対比にもなるしドラマとして幅が広がったのかなと思ったり。
あとタッグマッチを謳うならマルガム側は冥黒の三姉妹の誰か(今回だとクロトーが適任でしょうか)を乱入させて2vs2の構図を作るべきだったなとは思います。

 

さいごに

 上でも書いたように、今回はマルガム化した一般人にも物語上の役割を持たせて、た作りになっていたという意味で、これまでのガッチャードの中では一番良かった話だなと思いました。
一方で、今回のバレットチョウチョのように雑に登場ノルマを消化されていく新フォームにモヤっとする部分は正直あるんですけど、これはもう最初の設定レベルの問題ですね。101枚カードがあることから単純計算で50フォームはあることになるので、もう大半が使い捨てフォームになるのは明白。こういうときこそ多人数ライダーの方が設定的に相性良いと思うんですけどね。

 

 

 

仮面ライダーガッチャード第4話「アントルーパー・ラビリンス」 感想

前回分はこちら。

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宝太郎の人間性

 宝太郎とりんねの会話で、このような会話がありました。

宝太郎「ずっと当たり強いよね。俺何かした?」
りんね「別に」
宝太郎「じゃあ、今度うち来ない?」
りんね「えっ?なんで?」
宝太郎「うち定食屋でさ、とびきりの創作料理振る舞うからさ!」

これ見てて、宝太郎の距離感とかいろいろおかしいなと。なんというか幼いんですよね、高校生にしては。今回だけじゃなく、例えば前回ミナトが解放されたケミーの回収について説明しているときに急に割って入って「俺はこんなケミーと仲間になれました!」と聞かれてもないのにアピールしだすところとかもそう。これが小学生とか中学1年生くらいならまだ分かるんですけど、一応高校2年生っていう設定だしねえ…


スパナストーカー疑惑

 前回のゲスト怪人枠でりんねをつけ狙うストーカーが出てきましたが、そいつを倒したスパナも封印したばかりのライドケミーカードをいきなりりんねにプレゼントしたり、りんねのことをストーカーしててちょっと…
好意的に考えれば、スパナが風雅の教え子でりんねを守るように風雅から頼まれていたとかそんな感じなのかもしれないけど、現状はやっぱりストーカーにしか見えない。


魔法との棲み分け

 今回りんねが、錬金術を発動できなかったときに力を使いすぎたって言ってましたがどういうこと?これを魔法に置き換えると魔力切れというニュアンスでしっくり来るので、やっぱり魔法との棲み分けができてない気がするんですよねガッチャードの錬金術

 

冥黒の三姉妹のマルガム化

 第1話のクロトー然り今回のラケシス然り、マルガムになって戦う理由がよく分からないんですよね。風雅との戦いを見ていても、マルガムにならないと戦えない訳ではなさそうだし、一般怪人に変身しても元の姿の方が強いんじゃないの?と思ってしまう。
実際マルガム化しても全然強くなくて冥黒の三姉妹が弱く見えるから、敵としての魅力が感じられないのが正直なところ。

 

マルガム化する一般人の扱い

 マルガム周りの話でもう1つ個人的に引っ掛かっていることとして、ガッチャードのマルガム化する一般人に全くドラマがないことが挙げられます。直近だとドンブラザーズのヒトツ鬼が発生する経緯はかなり雑でしたが、それと同じくらい雑。
とりあえず怪人を出すために用意された操り人形みたいな扱いで、その一般人のパーソナリティの掘り下げみたいなものが全くない。
これはケミーに関しても同じようなことが言えて、ケミーと仲良くなることを前面に押し出すなら仲良くなるまでの過程はちゃんと描かなきゃいけないのに、例えば今回は蓮華とライドケミーカード交換→「よろしくな、サスケマル、エナジーム」で終了なのは新フォームの登場ノルマを消化するための扱いなんだなっていうのをひしひしと感じてしまって悲しくなる。


さいごに

 ガッチャードが始まって1ヶ月見てきた印象として、現状宝太郎のキャラの精神年齢があまりに高校生という設定と合ってなさすぎて好感が持てないですね。周りも特に変人として扱ってないから余計に違和感。
もちろん脚本は脚本家一人で作ってるものではないのは承知してますし、長谷川さん脚本で面白い作品もこれまで見てきたので、なんでこんな話の作りになってしまっているのかはすごく気になります。

 

 

 

仮面ライダーガッチャード第3話「ブシドー、見つけたり」感想

前回分はこちら。

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ケミーに入れ込む理由

 前回のスケボーズのときもそうなんですけど、宝太郎は何をもってケミーが大好きになったのか、全てのケミーと仲良くなりたいと言っている理由や根拠がなんなのかが全然見えてこないんですよね。積み重ねがないのにいきなり話が飛びすぎ。だからスパナとケミーの扱いについて言い争ってるときも宝太郎の言い分に納得感がない。
これをやるなら、元々宝太郎を錬金術師という設定にして幼い頃からケミーとの交流があったことを回想等で描写するか、これから錬金術師になる設定にするのならケミーとの交流をじっくり描いてからケミー大好きとか言わないと筋が通らないと思うんですよ。
似たようなシチュエーションとしてはゼロワンで「ヒューマギアは夢のマシンなんだ!」を連呼する或人を思い出しますが、あれはまだ或人がヒューマギアの父親(其雄)に育てられたっていうバックボーンが描かれてましたからね。


高校と錬金アカデミーの二重生活

 ガッチャードは一般の高校とは別に錬金アカデミーにも通うという設定ですが、現状の描写を見てると扱いが錬金アカデミーってより錬金術部なんですよね。
それで一般の高校生活にも物語上の意味があるならまだ良いんですけど、そういう感じでもなくて。例えばフォーゼだったら仮面ライダー部は部活だし、高校の生徒や教師がゾディアーツだったり主人公たちに密に絡む話の構成だったので高校生である必要性があった。けどガッチャードの高校にはそういうのがない。
だったら無理に高校と錬金アカデミーで二重生活させる必要はないし、最初から宝太郎を学生設定にせず、家業の飲食店手伝いみたいにした方がキャラとしても動かしやすかったんじゃないかと思ったり。

 

仮面ライダーではないヴァルバラド

 今回から登場したヴァルバラド。ガッチャード世界での仮面ライダーは2体のケミーを錬成して変身する存在を指すようなので、仮面ライダーには該当しない魔進チェイサーとかナイトローグの類ですね。
とはいえ敵サイドのキャラではなく味方側の勢力なので、そういう意味では珍しい例かも。これまでの例からいくとヴァルバラドも中盤くらいで仮面ライダー化する感じがしますが、個人的にはヴァルバラドのまま強化されていってほしいです。


さいごに

 3話まで見たガッチャードの印象としては、シンプルさを重視しすぎて削っちゃいけない説明まで削ってるイメージ。前回書いた錬金術師入学テストの解答然り、上記で述べたケミーに入れ込む理由然り。急に大物錬金術師目指しますと言ってたのも謎だけど。

 

 

 

仮面ライダーガッチャード第2話「追跡、錬金、スケボーズ!」感想

前回分はこちら。

 

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錬金術と魔法の違い

 ガッチャードでは錬金術がテーマの1つとして使用されていますが、魔法との違いがどう線引きされているのかよく分からないのが正直なところ。
今回宝太郎から錬金術について問われたりんねが「無から有を、死から生を生み出す術」と答えていましたが、魔法との違いについては「錬金術は科学に近い」という一言だけで具体的な説明がありませんでした。

ガッチャードの公式サイトのあらすじを見てみると、

www.tv-asahi.co.jp


錬金術…。卑金属から貴金属を錬成する、その秘術によって、この世の万物を模した人工生命体<ケミー>を生み出していた」
とあります。
一方で現実世界で錬金術という言葉についてググってみると

kotobank.jp


「卑金属を人工的手段により貴金属に転換する術のこと」
とあります。
なのでガッチャードにおける錬金術と現実世界の錬金術は同じ意味合いで使われている用語だという認識ですが、りんねをはじめとする錬金術師が指輪をはめて呪文詠唱して超常現象を発生させている行為はそこに科学的な要素はなくもはや魔法。これだったら、最初から魔法モチーフで良かったのでは?と思う。イメージもしやすいし。なんかわざわざ錬金術という設定にした必要性をあまり感じないんですよね。

 

封印を解かれたケミー

 前回冥黒の三姉妹によって、ホッパー1とスチームライナー以外のケミーたちがカードから解放されていましたが、今回ミナトはオドリッパとゴルドダッシュを宝太郎に渡していました。ミナトがカードに封印し直したのかもしれませんが、1話と2話でほとんど時間が経ってない(ケミーが解放されて宝太郎がガッチャード初変身した日とその翌日)ので、あんな短時間で2体封印できるのなら正直全ケミー回収するのもそんなに時間かからないのでは?と思ってしまうんだけど。


錬金術師になるテスト

 錬金アカデミーに入学するために宝太郎がミナトから課されたテストは、オドリッパとカマンティス2枚のライドケミーカードの重さの釣り合いをとれるようにするというものでした。
テストのクリア方法がオドリッパにダイエット、カマンティスに太らせるという方法だったのは展開が強引だなと感じました。
これだと痩せてくれ、太ってくれとしか言ってないので2体の体重がイコールになる理由づけにはなってないですし、そもそもミナトは指輪無しでこの課題をどう対処させる想定だったのか謎。

あと、りんねは宝太郎にテストは何とかなりそう?と聞きながら、指輪がないと質量交換はできないから君には絶対無理と言っただけで特段アドバイスする訳でもなくて、あのシーンりんねの印象が良くないんですよね。
なんか、「指輪を使えばテストのクリア手段はあるが宝太郎はそれを使えない」という説明のためだけにキャラが動かされているような感じ。


戦闘BGMとしての挿入歌

 最近のライダー作品にしては珍しく、戦闘中の挿入歌(Beverlyさんの『Rising Fighter』)が序盤から入ってきたガッチャード。もちろん挿入歌が流れること自体はその作品の盛り上げにも繋がるし良いことなんですけど、本編のSEとの音量調整ができてなくて挿入歌の歌詞があんまり聞こえないのがすごく勿体ない。これはガッチャードに限った話ではないけど。
それこそ今東映特撮YouTubeOfficialで配信されている仮面ライダー剣は序盤にも挿入歌(『覚醒』)が流れてますが、本編の音も挿入歌の歌詞もちゃんと聴こえますからね。

 

さいごに

 1話2話と見て、やっぱり表現の仕方がアニメ感の強い作品だなと思いました。それこそアニメの実写化ドラマを見ているような。
解放されて散らばったケミーの回収が直近の目的になると思いますが、このペースだと2クールくらいで回収しきる感じでしょうか。

 

 

 

仮面ライダーガッチャード第1話「ガッチャ!ホッパー1!」感想

ガッチャードの放送も始まったので、ギーツに引き続き感想を書いていきたいと思います。


一と九

 主人公の宝太郎は、進路希望に何も書かずガッチャを追い求めるという、どこかの我が魔王がちらつくような設定で、すごく漫画・アニメ的な感じがします。独特の口癖を持つ明るく元気な高校生というところから見ても、例年に比べてメインターゲットである子ども受けをより強く狙ってるのかなと。
一方ヒロインのりんねは、まずビジュアルが可愛いですね。喋ってるところ見てると雰囲気がどことなく井桁弘恵ちゃんっぽい。
二人とも演技が初々しいので、これからどう変わっていくかは楽しみです。

 

冥黒の三姉妹

 りんねの父親である風雅を消滅させたこの三姉妹が今回の悪の組織のよう。幹部がケミーを取り込んで一般怪人ポジ(マルガム)になるという形は新しいけど、一般怪人の立ち位置になって戦うということは当然毎度倒される訳で、結果的に幹部が弱く見えてしまうのであんまりいけてないのではとも思ってしまう。設定的には人間の悪意とケミーが結合したらマルガム化するようなので、マルガム化するのはこの冥黒の三姉妹に限らないみたいですが。

あと、三姉妹の長女アトロポス役の沖田絃乃ちゃんが9歳なのは驚きました。アトロポスは見た目だけでいったらどう考えても長女じゃないので、本当の姿が別にあるってことなんですかね。


ガッチャードになる条件

 風雅がホッパー1とスチームライナーにガッチャードライバーを託す相手を探すように指示し、結果的に宝太郎の手に渡りましたが、なぜ宝太郎が選ばれたのかがイマイチ分からず。宝太郎がダメというよりかは既に風雅やりんねといった錬金術師がいるのに、彼らを差し置いて宝太郎が選ばれた理由がよく分からないなという感じ。ガッチャードライバーを手にする機会がなかったりんねはともかく、風雅はガッチャードライバーを所持していた訳だし、変身できる素質があったのか分からないけど変身しようとする描写は欲しかった。
ミナトが「人とケミーによる多重錬成は120年ぶり」と言っていたので仮面ライダーになれるのは希少な存在であることは確かなようだけど、何をもってガッチャードになれるのかはちゃんと説明して欲しいですね。


さいごに

 制作発表で明かされた設定を聞いたとき、これまでの平成ライダーで使われた設定の寄せ集めみたいだなと感じたのが率直なところで、今回の1話を見てその印象が覆るほどのガッチャードならではの特徴や、次回の展開が気になるような要素があったかというと正直ありませんでした。感覚としてはゴーストを見てるときに近い。
まあまだ始まったばかりだし、少し長い目で見ていきたいですね。

 

 

 

仮面ライダーギーツ最終話「黎明Ⅰ:ここからがハイライトだ!」感想

前回分はこちら。

 

chirashinoura-world.hatenablog.com

 

 

御神体となった英寿

 ツムリに撃たれた英寿がどうなるのかというところで終わった前回。蓋を開けてみれば突っ込みどころ満載でした。
まず1つ目に、ツムリを乗っ取って英寿を撃った黒ツムリ。そんなイマジンみたいに乗っ取れる設定なんかあったっけ?というかそんな能力あるならもっと早く乗っ取って英寿サイドのライダーたちとの関係をかき乱したり、ツムリを人質にしたりすることもできたのでは?「私とあなたは一心同体。私の願いはあなたの願い」とかなんとなくそれっぽい説明台詞をその場で入れてるだけで、とってつけたような設定にしか見えないんですよね。
黒ツムリに関してはそもそもツムリの涙からデザインされたっていうのからして意味不明なんだけど。

2つ目に、英寿がツムリに撃たれた後神になって復活したロジックが全然分かりませんでした。人間として転生するのは英寿が過去2000年繰り返していることなのでまだ納得できるんですけど、それが急に神になりましたと言われても納得できる要素がなくて。
創世の力を持っているから?でもツムリに撃たれる直前にリバースされて普通の人間に戻ってますよね?仮に創世の力を持っているからだとしても、人間として命を落とさないとなれないのかという疑問はあるし、もし人間として命を落とすことが条件なのだとしたら、なぜそれを運営が知らず英寿だけが知っていたのかが謎。
それに、劇中で英寿はミツメに会ったとき神になる覚悟を決めたとか言ってましたが「覚悟を決めること」と「神になれること」はイコールではないし、もし自分の意志で神になれるならもっと早くやれという話になる。覚悟はできてるのにやりませんでしたは覚悟できてないのと大差ない。どう転んでも筋が通らない。

 

3つ目に、英寿が景和、祢音、道長のデザイアドライバーとIDコアとバックルを復活させたとき、なんでファンタジーやブジンソードを復活させなかったのかが分かりませんでした。この時点の英寿は完全に神になってる訳だから、制約があってこれらのバックルが生み出せなかった訳じゃないと思うんですよ。
ニンジャとビートを出したいっていうメタ的な理由しか感じなくてなんか嫌でした。
せめてエグゼイドの最終回で初期フォームガシャット以外が遠くに飛び散ったときみたいに、ご都合ではあるものの絶対に起きない事象ではない程度の理由付けは最低限必要だっただろうと。まあ神になってしまった以上理由付けはかなり苦しい気がするので、やっぱり素直にファンタジーやブジンソードを復活させるのが自然だと思います。

 

4つ目に、リガドΩを倒して変身解除した後のスエルから、英寿が出てきたのがよく分かりませんでした。スエルはずっと仮面をつけた状態だったので実体がどうなっているかとか全然分からないし、英寿が神様になったからなんでもありと言われればそれまでですが。

 

5つ目に、英寿は「誰もが幸せになれる世界」を作りましたが、最後までイマイチ具体的にどういうものなのかが見えてきませんでした。例えば景和が闇堕ちしたときに叶えた世界では、悪事を働いたデザイアグランプリ退場者まで復活して世紀末みたいな世界になってましたが、誰もが幸せになれる世界ってことは悪人も幸せになれるってことになるけどそれで良いんですか?そうじゃなくてもAさんはこれを望んでるけどBさんは真逆のことを望んでるみたいなお互いの利害が対立するケースは往々にしてある訳だけど、そういう都合の悪いところは無視されている。なんか聞こえの良いことだけ言ってお茶を濁しているようにしか見えないんですよね。それなら、「デザイアグランプリが存在しない世界」という名目にする方がまだ説明がつく。
それに、「願えば叶う」というのもすごく違和感があって。ヒーロー番組として、「願いを叶えるために自分で行動する」のを見せるのがあるべき姿じゃないんですか?その願いが結実するかどうかはさておき。ただ願えばいいっていうのは違うでしょ。
また、この世界改変には「幸せの総量が決まっている」問題の改変も含まれていましたが、結局これも「神様の力で幸せの総量の制限をなくした」で片付けたのが物語として本当につまらないなと感じました。

 

さいごに

 「神様だからなんでも言ったもん勝ち」で全て片付けられてしまったと感じた最終回でした。創世の力を英寿が手に入れた時点で懸念していたことではありますが、いざ実際に見てみるとやっぱり何のカタルシスも感じないですね。最終クールとか英寿を教祖にした新興宗教みたいだったし。
あと結局大智を筆頭に過去やらかしてきたことに関してお咎めなしで終わったのはすごくモヤモヤします(道長はなぜか濡れ衣に近い沙羅のジャマト化の件では償いの意思を示していましたが)。景和はあの後警察官目指してるっぽいですが、あの性格で警察官とか国家権力持った仕事に就いたらヤバいだろ…

 

ともあれこれでテレビ本編としては完結したので、ギーツについても余力があればまた振り返り記事を書きたいと思います。

 

 

 

仮面ライダーギーツ第48話「創世X:ツムリの鎮魂歌」感想

前回分はこちら。

chirashinoura-world.hatenablog.com

 


終幕のデザイアグランプリ

 強制変身させられた会社員と小さい子の母親が「お前の幸せをよこせ~!」とか「幸せを奪わなきゃ生き残れないからよ」とか言って他の一般人ライダーと戦っていましたが、なんでああなったのかが意味不明でした。
これも結局、クライマックスに向けた画作りのためにとってつけられたような展開でしかなくて、どうしてこうなったのかが説明されないから薄っぺらいんですよね。
あと、今回やってるギーツたちメインライダー組とモブライダー組の構図ってエグゼイドの仮面ライダークロニクルのときとほとんど同じだし、リガドの使ってたリバースもクロノスのリセットと同じなんですよね。どっちも脚本家同じですけど、どれだけ話の引き出しないんだよと思ってしまう。

さらに言えば、この一般人ライダーたちの争いを止めるときに道長が景和との会話で言っていた「俺は無敵だからな」の意味もよく分かりませんでした。ジャマ神特典の力のことを指しているのであれば、あの場で普通のゾンビフォームで戦ってることとの辻褄が合わないし、そうでないならどういう意図で無敵と言ったのかが謎。


ギロリの復活

 今回ギロリが再登場しましたが、なぜギロリが復活したのか理解できませんでした。公式サイトを見ると、スエルがリデザインしたとか書いてありましたが、リデザインというのがどういうものなのかも含めてちゃんと劇中で描写しろよと。

www.kamen-rider-official.com

セイバーのとき特に顕著だったけどテレビ本編でろくに描かずに公式サイトで書いておけばいいやって考え方本当ダメだと思うんですよ。
それに仮にスエルがゲームマスターたちをリデザインしたとしても、スエルにとってギロリを復活させるメリットって何もないはずなんですけど、なんで復活させたの?という疑問が出てくる。

まあそれはそれとして、ギロリが英寿の味方になっているのも正直納得できてないんですよね。スエルからもこの件について突っ込まれていましたが、それに対しギロリは「英寿は世界平和に貢献しようとしている。それが仮面ライダーのあるべき姿。」という趣旨の発言をしています。

世界の破滅を望むVIPに向けたスエルのデザイアグランプリとギロリの理想とするデザイアグランプリの方針が違うのは分かります。
だけど、ギロリの掲げる「世界を守るゲーム」としてのデザイアグランプリも、ジャマトと繋がってた以上結局マッチポンプから来る茶番でしかなくて。
別に英寿はギロリの望むデザイアグランプリを続けたい訳ではないから、「僕たちは同志です」みたいな感じになってるのは違和感があります。そこはあくまで敵の敵は味方という図式の共闘しかなり得ない。
それにギロリなんか良い奴ムーブしてますけど、ギロリがパンクジャックを自爆させて英寿と心中させようとしてたのとか忘れられてるんですかね?かなり極悪非道なことやってますけど。ギーツはこの手の「過去の悪事がなあなあになってるキャラ」が多すぎる…

 

鞍馬親子の行動

 今回祢音と光聖はスエルと通じているVIPに対して、身の安全を保障する代わりに自分たちに味方するよう説得してましたが、なんでVIPは鞍馬財閥が身の安全を保障するって言ってるのを信じられるの?
ゲームの観戦よりも身の安全を選ぶこと自体は理解できるけど、祢音たちの説得に乗るためにはそれを信じるに足るものが必要な訳で。鞍馬財閥がデザイアグランプリのスポンサーであることがその信頼に値するのかと言われると個人的には値しないと思ってます。
なぜなら、鞍馬財閥がVIPたちを未来に送り返す力を持っている訳ではないから。もし仮に鞍馬財閥が運営から時間移動の手段を与えられていて、それでVIPたちをすぐ未来へ帰すことができるのであれば、この説得に乗るのも自然だと思いますが今回はそういう訳ではない。だから話の展開に説得力がないんですよね。

あと、光聖は第43話で脱獄してから何事もなかったかのように家に戻ってましたけどあれはなんで?別に保釈されたような描写もなかったけど。

 

銃口を向けられる英寿

 今回最後にツムリが英寿にマグナムシューターを向けるシーンがありましたが、あれはただOP再現したいだけなんだろうなと思いながら見てました。あのシーン、別に雨を降らす必要はないし、撃つのもマグナムシューターである必要はないし。

 

さいごに

 前の感想でも書きましたが、英寿は「みんなが幸せになる世界」を創るために具体的に何もしてないというのが致命的なんですよね。事後対処的に他のメンバーの後方支援をしてるくらいにしか見えない。

スエルもスエルでリセットできるならここまで出し惜しみするのは意味が分からないし。早くグランドエンドを遂行させたいならなおさらとっとと英寿の創世の力を奪ってしまえば良い話では?

あと1回でこれまで出てきた諸々の問題を解消しつつ綺麗にまとまるとも思えないので、スエルを倒して万事解決みたいな扱いになるんだろうなという気がしています。