ちらしのうらのせかい

特撮のことから日常のあれこれまで、気ままに綴っていきます

仮面ライダーギーツ第43話「創世Ⅴ:その名はギャーゴ!」感想

前回分はこちら。

chirashinoura-world.hatenablog.com

 

創り替えられた世界

 景和が願ったのは「デザイアグランプリの全ての犠牲者が蘇った世界」だったので、過去にデザグラで退場した悪人たちも蘇ってしまいました。まあそれは分かるんですけど、なぜライダーに変身できる状態で蘇っていて、世界改変してから秒でこんな暴動が起きているのかが分からない。暴れてる当事者が蘇ったのだって同じタイミングのはずだし、いくらなんでも復活から暴動まで展開が急すぎるでしょ。

それに現代(ここ10年程度前まで)より前の犠牲者はどこにいったの?「デザイアグランプリの全ての犠牲者」というのがどういう定義なのかもさっぱり見えてこない。

 

世界改変後も景和は相変わらずケケラやベロバ、ジットに踊らされて英寿を倒しツムリを女神にしようとしていますが、なんで英寿たちの言葉には耳を貸さなくて、ケケラやベロバ、ジットの言うことは鵜呑みにするのか全く理解できない。

家族がやられてまともな精神状態じゃないからって言う人もいるけど、別にそれはこの言動とイコールにはならないでしょ。どっちも信じないとか、どっちも信じようとして苦悩するならともかく、意図的に情報の取捨選択してるんだし。

 


鞍馬親子

 今回ターボンに襲われる光聖を祢音が助けるくだりがありましたが、ついこないだ父親である光聖との面会時に可哀想な人となじった後、特段心情の変化が発生するような出来事は起きていないのになぜ祢音が光聖を助ける気になったのかがよく分かりませんでした。

一応祢音はその理由として、「誰もが幸せになれる世界を目指して、俺のデザグラを作るって決めたんだ」と言った英寿を信じて自分のできることをやろうと決めたと言っていました。でもこの会話のやりとりをしたのって、上記の面会の前なんですよ。だから理由として成立していない。これを話が通るようにするには、

光聖と面会でなじる→英寿との会話→ターボンに襲われる光聖を助ける

にしないといけないと思うんですよ。じゃないと、英寿の思想に共感したのに父親をなじって去った後、なぜか急に父親を助ける変な流れになる。

 

また光聖についてですが、祢音も大事な娘であることを自覚し、拐われた祢音を救うために仮面ライダーになるという流れ自体は、一応理解はできました。光聖が変身して戦う姿は変身ポーズ含め格好良かったですし、英寿が創世の力を持っている以上はドライバーとIDコアの入手方法もこうなるのが自然だと思います。

では何が引っ掛かったかというと、光聖が祢音のことも娘として大事に思っていたことを自覚するくだり。

自覚のきっかけは祢音に父親としての心が残っていることを看破されたことと、伊瑠美に「あなたと祢音の間にも(あかりに対するものと変わらない愛が)あったはずでしょ」(意訳)と言われたこと。その中でも後者に関して納得できないところがありました。

伊瑠美はずっと祢音が創世の女神の力で作られた存在だと知らず育ててきた訳だから、光聖とはまた話が変わってくるのではないかと思うんですよね。伊瑠美と違って光聖は祢音が本当の娘ではないと知りながら、鞍馬財閥に未来とコネクションを持たせるための道具として利用するため育ててきた。

そんな光聖が祢音も娘として大事に思っていたことを示すなら、今回より前に光聖が祢音のことを大事に育ててきたこと、愛情を注いでいたことを示す描写がないと、とってつけたような改心みたいになってしまう。

実際、今回申し訳程度の回想が入っただけで、これまでに祢音に対する愛情を示すようなものはなかったはずなので、個人的にはそこでモヤモヤしてしまいました。1クール作品ならともかく、1年やってるんだからもう少しそこは積み重ねができなかったのかと思ってしまう。

 

それはそれとして、光聖はどさくさに紛れて刑務所から脱獄してるけど誰も触れないの…?メタ的に刑務所に入れた理由ってこの誘拐事件のきっかけ作り以外にないと思うんだけど。


さいごに

 今回一番脳裏に残ったのは入院している大智でした。あれは絵面がシュールすぎて笑ってしまう笑

大智といえば知恵の樹やフェーズ2ジャマトの行方もよく分からないんですよね。景和の願いが叶った以上、(その後ギャングたちの犠牲になったかどうかはさておき)全員人間として蘇ってるはずなんだけど。これもまたうやむやにされるのかな…?