ちらしのうらのせかい

特撮のことから日常のあれこれまで、気ままに綴っていきます

仮面ライダーゼロワン 最終話「ソレゾレの未来図」感想

前回分はこちら。

chirashinoura-world.hatenablog.com

 

其雄との邂逅と滅との決着

 其雄との邂逅シーン、あの其雄がどうして現れたのかはまあ幻影なんでしょうということにしたとしても、急にゼロワンドライバーが作り出されたり、ライジングホッパーキーがリアライズ化したりというのはいささか納得いかないのが率直な感想。
ゼロツープログライズキーのときもそうだったけど、科学に寄せた世界観の作品であまりそういうあまりにファンタジーなことされると正直萎えるんですよね。んなこと言ったら何でもありじゃんみたいに感じてしまって。元々ファンタジックな世界観であればまだ抵抗少ないんですけど。

あとは其雄の台詞。
其雄「幼い頃のお前は、ただ泣くことしかできなかった。でも今のお前は、心に怒りを宿してる。それは、仮面ライダーという力を力を手に入れ、お前が強くなったからだ。だが忘れるな、本当の強さとは力が強いことじゃない、心が強いことだ。今のお前ならもう...その意味が分かるはずだ。」

最初聞いたとき心に怒りを宿し云々のところで???となってしまった。仮面ライダーになったから心に怒りを宿した訳ではないでしょ、と。
ここで伝えたいことって強さは力じゃない、心なんだというのを伝えたいんだから後半部分(本当の強さとは~)だけで足りるんですよ。或人を導く大事なシーンなのに、妙に回りくどい言い回しになっている。こういうところがもったいない。

そして其雄によって決意を新たにした或人が選んだのは滅にアークワンとしての自分を倒してもらうという道。
思惑通りアークドライバーとキーを破壊された後再び滅を説得するところで、或人が「絶対に乗り越えられる。心があるって分かったんなら!だって、俺達は仮面ライダーだろ?」と言ってましたが、例えばWで言う「風都の街を守るヒーロー」みたいな、仮面ライダーの定義がこの作品ではされてこなかったのでこの台詞があまり響いてこない。
もしここで言う仮面ライダーが「街を守る正義のヒーロー」の意味で使われているのであれば、滅はそれには該当しないのではないか。そう考えると非常にモヤモヤするんですよね。とりあえず仮面ライダーって単語を言わせておけばエモいみたいに考えているのかなと邪推してしまう。

一方で、或人と滅のこの一連の流れにおける迫真の演技や、リアライジングホッパーvsアークスコーピオンのアクションは良かったと思います。アークスコーピオンの鎖状の攻撃を避けつつリアライジングインパクトを決めるところとか特に。

 

 

後日談とエスの登場

 或人と滅の決着後のCM明け、いつの間にかそれなりに時間が経過しているような雰囲気になっていて、反乱していたヒューマギアたちはどうしたのか全く触れられていない。

そして滅亡迅雷も天津垓もみんなお咎めなしという。みなさんガッツリ法を犯してるんですが、冷静に考えておかしくありません?

あと諫がまた事実上の無職に。。。A.I.M.Sにはヒューマギアを潰すために入隊していたので今となっては入る理由がないのかもしれませんが、A.I.M.Sで諫、唯阿、亡で組む姿はちょっと見たかった...!

 

そして残り時間もギリギリのところで登場した謎の男エス。アズからエデンドライバーとプログライズキーを受け取り仮面ライダーエデンに変身。「続きは映画で」は11年前を思い出します(遠い目)。まあディケイドに比べれば本編でも一応形としては一旦締めてる分まだマシなのかもしれませんし、これに関しては特に上映時期という点でコロナの影響をもろに受けているのであまり責めるのも酷な気はしますね。

 

新イズの扱い

 最後に、今回起動した新イズについても触れておきたいと思います。

まずイズの復活については、前回の感想にも書きましたが新規個体での復活でしたね。イズのバックアップは存在しないということが明言されているので、これについては異存ありません。(この点については少しホッとしています)が、問題はその後。新イズにもイズと名前をつけ、元通りのイズに育てようとしていること。

「ヒューマギアの死は人間の死と変わらない」と言っておきながら死んだイズと同じ見た目の新イズを作ってイズと同じようにするために育てようとしているのは明らかに矛盾していませんか?これって或人のエゴでしかないと思うんですよね。もし期待した通りのラーニングをしなかったら「イズはこんなんじゃない」とか言うつもりなのか。新イズは新イズであってイズではない。

 

結論、個人的にはかなり消化不良な最終回となってしまいました。結局大森Pの言う「「ゼロワン」の結末は、今までの仮面ライダーシリーズとは、まったく違います。」とは何のことだったのか分からずじまい。

ゼロワンのこの1年の全体を振り返ったまとめはまた別記事で書きたいと思っているので、そのときは見ていただけたら幸いです。