ちらしのうらのせかい

特撮のことから日常のあれこれまで、気ままに綴っていきます

仮面ライダーゼロワン 第42話「ソコに悪意がある限り」感想

前回分はこちら。

chirashinoura-world.hatenablog.com

 次回分はこちら。

chirashinoura-world.hatenablog.com

 

天津垓失脚とZAIA本社からの刺客

 今回、ZAIA本社から新たなZAIAエンタープライズジャパンの社長として与太垣ウィリアムソンが登場しました。やっぱり迅を復活させたのはこの人なんでしょうか。「アークが残した危険な置き土産だ」と迅に滅を始末するよう命令していた点も含め、この辺は来週掘り下げがありそうですね。

それ以外だと垓を社長の座から解任してサウザー課の課長とする事実上の左遷をしたくらいなので今のところ至極全うな人に見えますが、それだけでは終わらなそうな気がします。(登場時期的に元々は夏映画のゲストだったとか?)与太垣の「アークを生んでおきながらコントロールできずに、余計な損害を被った」という台詞から、垓の行動をあまり快く思っていないのは確かなようですしね。

 

諫のぶっ潰す発言

 今回の諫の発言でどうしても気になってしまうところがありました。

滅「人類が悪意を持っていても、もうアークは生まれないと言い切れるのか?」
諫「知るか!お前はぶっ潰す!」

今の諫はそんなこと言わんやろというのが率直な感想。そんなモヤモヤした気持ちを抱えながら諫役の岡田さんのゼロワン42話振り返り動画を見ると、なんとこのことについて言及しているではありませんか。

岡田さん自身もこの台詞は疑問に思っていたようで、岡田さんの「ガチレスすると沼にはまるので、アークが生まれる可能性があるとしても人類滅亡を企むお前はぶっ潰す」という台詞に込めた思いを聞いて多少溜飲が下がりました。

もう本編はオールアップしていますが、シナリオ都合でキャラにらしくない台詞を言わせるのは本当になんとかして欲しいところです。

 

 

イズとの別れと或人の闇堕ち

 正直、或人闇堕ちは想定外でした。「きっとアークが何かバックアップ残してたとか理由つけて復活してアークワンに進化するんだろうな」と思っていたので、この展開は良い意味で期待を裏切られました。

ただ...ただ問題なのはイズとの別れの方。ぶっちゃけこれは全然納得いってません。
理由は2つあって、まず1つ目は「15話と同じようなやらかしをまたしている」という点。

15話でイズが何をしたかというと、アサルトウルフが迅を庇った滅を倒した後、なぜかイズは前線に出てきて「司令塔の滅が見事討伐されたようです」と迅を煽り、怒った迅に体のど真ん中を貫かれました。

今回はどうでしょう。イズは単独で滅を説得しに行き、一時は或人に窮地を救われたものの、その後滅に「心なんて必要ないと言いながら、心から人類滅亡を望んでいる」という矛盾を指摘してアタッシュアローで撃たれて破壊されています。
イズが見た夢で或人が酷い目にあってるから滅の宣戦布告のこともあまり言いたくないのは分からんではないし、滅を信じたい気持ちもあるんだろうけど、以前も似たようなことをして破壊されかけているのにあまりに無用心過ぎませんかと。

説得するにしても今回の滅やワズのように、遠隔で通信できるのではないかと思いますしどうしてもイズの破壊にもっていくまでの過程の雑さが拭えません。
イズが撃たれるとき棒立ちだったり、それを迅がまた棒立ちで見ていたのも大概ですが。


2つ目は「イズのセントラルメモリー問題」です。
ワズ回(12、13話)のときに、イズやワズのようなゼロワン計画に関わるヒューマギアにはバックアップがないため、セントラルメモリーを失うと復元は不可能であるという説明がありました。この設定があるからこそ、イズは他のヒューマギアとは違う特別な存在であるという説得力があった訳です。
しかし、ゼロツー登場回でのイズはどうだったでしょうか。ゼロツープログライズキーはイズのセントラルメモリーがイズから抜けて変化したものですが、その後も何事もなくイズは動いています。
これだとゼロツープログライズキーさえあれば素体ヒューマギアからでも普通にイズ復活できてしまうのではと思えてしまうので、イズの危機に対する緊張感がなくなるんですよ。
(ヒューマギアプログライズキーにとってあるバックアップはどうなんだという話もありますが、30話のときはイズの体自体は無事でシャットダウンされてたものを再起動しただけのため、あれで空の素体ヒューマギアにイズの記憶を移すことはできないと脳内解釈しています。それでもかなり無理矢理ですし、もし今後ヒューマギアプログライズキーから復活できると明言されたらとんだ茶番ですが…)

以上で挙げた2点がひっかかってしまい、イズの退場にイマイチ感情移入できないのが実情です。


一方で、先述の通り或人闇堕ちは良かった。
これまで或人は一貫して「ヒューマギアは悪くない」という姿勢を貫いており、チェケラが自らマギア化したときも「チェケラは悪くない!」と言ったり、滅に目の前でミドリを破壊されたのに垓が滅を倒そうとしたときに滅を守ろうとしたりとヒューマギアへの思いはもはや盲信とすら言えるレベル。

しかし、いざ自分にとって最も近い存在であるイズが破壊されると、アズに唆されたとはいえ掌を返したようにイズを破壊した滅への憎悪・悪意に駆られ、アークワンへと変身してしまう。これは死刑廃止を訴える人がいざ身内が殺されると途端に死刑賛成派に寝返る構図に似ています。

或人の言動ってダブルスタンダードを感じさせる部分もあって、例えばこれまで垓も散々非道なことをやってきたが、それは滅も同じ。そんなテロリストである滅にすら「うちに来ないか?」などという発言をしてしまう。アンナ回で桜井さんの映像も見てたはずなのにね。そういう危うさが目立つ或人だからこそ、この闇堕ちにも納得がいきました。 

そして、今回の滅に協力したヒューマギアがいたことが、垓の「ヒューマギアは危険な存在だ」という言葉の裏付けになってしまうのもまたなんとも皮肉。

 

 

次回、迅が退場しそうな雰囲気を出していますがどうなってしまうのか。或人は闇堕ちから救われるのか。残り3話でどこまで描かれるのかという点も含め、残り少ないですが見守っていきましょう。ではまた!

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