前回分はこちら。
chirashinoura-world.hatenablog.com
クロトーの最期
クロトーはアトロポスとラケシスを失ったことで自暴自棄になり、ドレッド参式に変身してグリオンに特攻していきました。グリオンに特攻して最期を迎えること自体に異論はないんですが、せめてクロトーがグリオンに一糸報いてそれが宝太郎の勝利のきっかけになるとか、もう少しやりようはあったのでは?
それにそんなに姉妹が大事ならどうして48話でアトロポスを放置してラケシスを探しに行ったのかという点がどうしても引っかかってしまう。あれどういう意図だったんですかね?
一ノ瀬親子の関係性
宝太郎が仮面ライダーであることを知った珠美が宝太郎を送り出すシーン。BGMの効果もあってか一見良い感じの雰囲気に見えるんですが、必要以上にベタベタしていてなんか高校生男子の母親との関係性に見えないんですよね。前にも書きましたが、宝太郎って精神面が小学生なんですよ。だから高校生設定だと見ててすごく違和感がある。
また、珠美が「まったく、誰に似たんだか」と言ってましたが、結局父親の正体やバックボーンも全く明かされずじまいで終わったのでモヤモヤ。あの台詞を言わせるんなら父親ノータッチで終わっちゃダメでしょ。
サブライダーたちの戦い
マジェードもヴァルバラドもウインドも再生冥黒王+ドレットルーパーの掃討要員にしかなってなくて、とってつけたような出番だなと感じました。風雅は最終決戦のこのタイミングでノコノコ出てきて今まで何してたんだっていう。
再生冥黒王を倒した後黄金化されたときなぜかみんな変身解除してた(しかも風雅はいつの間にかいなくなってる)のも意味が分からないし。
一般市民の掌返し
人間とケミーの共存に反対してた一般市民を蓮華と錆丸が助けることで一般市民がコロッと寝返った感じになってたのは違和感。一般市民を助けること自体は前回もやってたし、じゃあなんで前回は助けられても寝返らないで今回は寝返ったのか疑問。
また、数ヶ月後にはケミーや錬金術師の話が都市伝説レベルの話に落ち着いているっていうのも錬金術師が記憶操作してないのであればあの世界の市民の記憶力を疑うレベル。あまりにご都合主義すぎませんか?
大物錬金術師
黄金化させられた宝太郎が動けるようになって、ガッチャードライバーやライドケミーカードを再錬成して新たなフォーム(スチームホッパーアルティマ)に変身し逆転するこの一連の流れに説得力を持たせるためには、宝太郎が大物錬金術師たり得る描写をこれまでの話で入れてきていないといけない。
しかし、今まで錬金術の座学や修行をしてきた様子もなければパワーアップは棚ぼたばかり。これで宝太郎は大物錬金術師なんですと言われても、こちらとしては首を傾げざるを得ない訳で。
錬金アカデミーという「人間とケミーの共存」に相反する思想の組織にいながら、人間とケミーの共存に向けた具体的な方法をこの1年ろくに考えてこなかったこと、一般市民の記憶消去についてもほとんど触れてこなかったことがまずおかしい。
公式サイトには宝太郎が本物の錬金術師になったとか書いてありますが、何をもって「本物」なのか。そもそも一般的な錬金術師もろくに描いてきていないのに本物も何もない。
錬金術師の修行での苦労とか成長は全く描かれなくて、最終回に突然主人公は地球を作れる大物錬金術師になりましたって、そんな主人公に魅力を感じる要素がどこにあるんでしょうか。
それに、最終的に新しい地球を錬成してそこにケミーを住まわせる隔離という手段をとっていましたが、終始人間とケミーの共存を目指してたはずなのに急に隔離を思いついて実行、共存はこれから目指していきますってダメでしょ。
ただの問題先送りでしかないし、人間とケミーの共存は宝太郎が番組序盤から言ってたことなのにそれをうやむやにするのはあってはならない。
さいごに
スプラトゥーンよろしく黄金化光線で次々黄金化させられていったり、急に坂が生えてきたりするところはなんかシリアスなシーンなのに笑ってしまいましたw
前述の通り、人間とケミーが共存するための具体的な方法も結局出さなかったし、宝太郎の父親も出てこなかったし、風雅も最終決戦で急に出てきて再生冥黒王倒しただけでいつの間にか消えてたし、グリオンにもなんか宝太郎に不思議なことが起こってよく分からないまま勝っちゃったし、唐突な展開ばかり詰め込まれた最終回でした。劇中で宝太郎が言っていた「大人って結構いい加減だよね」という台詞も、制作陣に対するブーメランでは?と思ってしまう。
振り返るとガッチャードは学園ドラマもろくにやってないし錬金術も実質魔法でしかなかったし、宝太郎たちは錬金術を学ぶ様子も描かれないし、何もかも中途半端な印象。
何より、人間とケミーを共存させるという宝太郎の目的と、ケミーのことを知った人間の記憶は消去するという錬金術師の掟の設定の食い合わせが悪すぎた。
ガッチャードは特にVシネマの情報は出ませんでしたが、とりあえず来週からのガヴには期待したいです。
【おまけ】最終回まで見ての疑問点・問題点
備忘録的な感じではありますが、1話から最終回まで見て個人的に感じた疑問点や問題点について残しておこうと思います。
・人間とケミーの共存の具体的な方法は?わざわざケミーの害悪性に触れる敵出しといて、ケミーは純粋だ!って言われても何にも反論になってないし、新しく創った別の地球にケミーを退避させたことは共存ではない。(そもそも宝太郎以外ほぼケミーを道具か武器として使ってる描写しかないから共存と言われてもピンとこない)
・宝太郎をはじめ錬金術の鍛錬(座学含め)をしている様子が見られないので錬金術師として成長していると言われても説得力がない。殴る蹴るの戦闘メインのケミー回収作業のどこに錬金術師として成長できて学べてる要素があるのか?
・ニジゴン周りをはじめ、ご都合主義が多すぎて主人公の努力が感じられない
・本編開始時点で、ウインドに変身できるはずの風雅が冥黒の三姉妹に苦戦していた理由は?
・風雅は自分が戦えるのに宝太郎を巻き込んだのはなぜ?
・風雅はなぜグリオンを10年も放置していたのか?
・風雅はなぜグリオンの息のかかった錬金アカデミーにりんねを放置して姿を消したのか?
・錬金アカデミーの入試の正しい正解はなんだったのか?
・錬金術と魔法の違いが分からない(劇中描写を見る限り魔法にしか見えない)
・5話で、一般人に錬金術を使っちゃ駄目とりんねに言われたそばから錬金術製の銃を発射する宝太郎
・7話で、ケミー関連の記憶を消去することに関して宝太郎とりんねの会話が噛み合わない(りんねはケミーのことを知った人の記憶消去の話をしているのにサボニードルは温厚で能天気だから大丈夫というズレた回答をしている)
・錬金術の記憶消すのに1話や修学旅行回みたいに不特定多数に目撃されても記憶消せてるのにサボニードルの時わざわざ子供追いかけてるのはなぜ?(41話のライブで歌っていたケミーの数え歌のようになぜか一般市民がケミーのことを知っている描写もある)
・レベルナンバーXのケミーは支配できないとはなんだったのか
・ゴーグルを譲ってくれた過去の幼少期宝太郎はイグナイター作れなくなってるのに、デイブレイクはなぜ宝太郎に過去のゴーグルをとりに行かせたのか?
・ウロボロス界とはなんだったのか?
・グリオンはまず錬金連合を記憶改竄して支配できるのに、なぜ冥黒の三姉妹と錬金連合を敵対関係にしたのか?
・グリオンの手下のマルガムにボコられたばかりでグリオンに対して何の勝算もないはずなのに宝太郎たちが無策でウロボロス界に直行した理由
・テレビ本編(24話、26話)と公式サイトブログ(26話放送時更新分)で説明されている暗黒の扉を開く鍵が違う理由
└24話:グリオンはドレッドライバーが必要だと言っている
└26話:グリオンはドレッドライバーとレベルⅩのケミーが必要だと言っている。風雅はガッチャードライバーを持って、ウロボロス界に向かったグリオンを追いかけろと宝太郎に言っている。
└26話分公式サイトブログ:「暗黒の扉開くのに必要なのはレベル10のケミーとガッチャードライバー。グリオンはそこにドレッドライバーを加えることで10年前とは別のケミストリーを得ようとしてます」
・ミナトはグリオンに後輩を殺された事をミナトのせいだと言われ真に受けトラウマ化しているのは百歩譲って分かるとしても、グリオンの下につく理由がないし、現代で図太く教員免許を取得し一般高校、錬金アカデミーで教師になり無関係な一般生徒をグリオンの支配するアカデミーに引き摺り込んだのはなぜ?
・ミナトは錬金連合がグリオンに洗脳されていると知っているのに、錆丸が洗脳されドレッドになった時は何故か錬金連合に相談しに行き拒否られるも、もう一度掛け合うと謎発言をかましたのはなぜ?そして全てを知っていた癖にグリオンの被害者である錬金連合を批判したのはなぜ?
・グリオンへの恐怖心から寝返っただけで改心してないラケシスに対して鏡花があれだけ肩入れしていた理由
・ケミーが悪意に引かれてマルガムになるという設定が回によって都合よく捻じ曲げられている(1話でマルガム化してないケミーが暴れていたり、5話で悪意ありまくりのヤクザにレスラーGが取り憑かなかったり、8話で理玖の父親が悪い事してないのにトンボマルガムになった)
・錬金連合に対して「保身に走った」とミナトたちは言ってたが、発言に対して描写が伴ってない。グリオンに加担したミナトの不問、ギギストに対しては様子を見たいって真っ当な意見、実際にギギストが目の前に現れれば一番近くにいたイキってた棒立ち2人より真っ先にギギストに刃を向ける勇敢さと、描写されたのはむしろ保身というより温情だったり理性的な行動。
・新設定を乱発させすぎ(例:ケミーの因子が存在する、それはマルガムになった人間に残る、ガエリヤは因子からマルガムを作れる、記憶操作は回数を重ねると無理が出る、記憶操作とは別に記憶の完全消去がある)
・ニジゴンの設定が元々は「冥黒王が打倒された時の砕けた身体の一部」と言われていたはずなのに、数話後に「賢者の石を完全なものにするために後から作られた」ものという設定に変えられていた
・冥黒王はなぜ人間をやめたのかバックボーンが全く見えない
・冥黒王がグリオンを作り出した理由
・ギギストが死に際に「錬金術の始祖として、貴様に伝える…良き、後継者ができた…!」とか言っていたけどギギストは最初にケミーを作った人であって錬金術を作ったのはジェルマンでは?
・ケミーの出自が最初と今で違う。ケミーは完全に「錬金術してたらたまたま生まれる存在」だったのが「最初から狙って作られてる」になった
・アルケミスチャージャーがあるのに29話や49話で魔力切れを起こしてマジェードに変身しなかった理由(他にも34話のようになぜかりんねやスパナが戦わないケースあり)
・公式サイトブログを言い訳の場にしすぎ
・錆丸や加治木の掘り下げ回を終盤のタイミングでしかもそれぞれ2話ずつ割いてやっていて、話の配分がおかしい
・加治木は何度も記憶操作されているのでその影響で記憶が戻ったというのは理解できるが、一度しか記憶操作されていない聖さんも記憶が戻ったのはなぜ?
・錬金アカデミーは錬金術使わないと入口すら出現しないはずなのに一般市民が侵入できた理由
・一方的に精神的な攻撃を仕掛けたり利用してきたりするアトロポスにりんねが肩入れする理由
・ラケシスが死に際にスパナとのデートを夢見てたのにスパナとラケシスの関係の積み重ねが足りない
・レインボーブレスはケミーを全種コンプする前にホッパー1たちに浴びせてギギストの力を効かないようにしたり、まだガッチャしてないケミー2体が冥黒に染められそうなのを防いだり出来てたのに、数話後にケミーが全種揃ってないと出来ないことになっていて矛盾が生じている
・演技とはいえグリオンが風雅に助けを求めに行った理由
・ガエリヤの仕掛けたロシアンルーレットの場に宝太郎が潜入できた理由やタイミング、元の拳銃の所在が分からない
・クロトーがアトロポスを放置してラケシスを探しに行った理由
・スパナが黒い炎を使いこなせるようになった理由
・グリオンが足りない賢者の石の分をレプリケミーを錬成することで代用していたが、それができるならなぜもっと早くやらないのか?
・錬金アカデミーに新入生が入ったとか言ってるけど半ば崩壊してる状態の錬金連合がどうなってるのかも描かれてない
・宝太郎はケミーは純粋だとか言っているが、レプリケミーについては一切触れないのはなぜ?
・テレビ本編における暁の錬金術師とは何だったのか?