ちらしのうらのせかい

特撮のことから日常のあれこれまで、気ままに綴っていきます

仮面ライダーギーツ第4話「邂逅Ⅲ:勝利条件」感想

前回分はこちら。

chirashinoura-world.hatenablog.com

 

鞍馬家の親子関係

 祢音がやたらと家出を試みるのは、母親からの厳しい束縛から逃げ出したいという思いからでした。(祢音ファンの会話で「小さいときから友人との交際なども厳しく制限されて育ったらしい」という噂もあり」)
一方祢音のお母さん(伊瑠美)が祢音に対しそのような厳しい束縛をするのは、以前に祢音が身代金目的で誘拐された事件がありその悲劇を繰り返したくないから。
事件に巻き込まれた前例がある以上お母さんにも同情の余地もあるにはある(金持ちの娘というだけでリスクを背負っているのも事実)のですが、とはいえ親である自分の命令通りに動くことを強要することは祢音の言う通り「親の人形」状態であることもまた事実。

この辺りは納得できたんですけど、今回の話の最後は見ていて話の方向性がおかしいなと思いました。具体的には、ウェーブ3のミッションをクリアして自宅に戻ってきた際に、お母さんの平手打ちを止めるシーンで「何度連れ戻されたって諦めない。いつか必ず家出する。」と言っていたところ。なんというか、親への見返し方がズレてる気がするんですよね。
今回祢音がゾンビゲームで学んだ「諦めないことが大事」だということを活かすべき対象は家出ではなく、親子の相互理解に対してではないんですかね。家出という手段をとることは親との確執の根本的解決にはなっていませんし、上記の台詞は完全な宣戦布告ともとれる発言に思える。
しかも今回祢音は「ずっと家出したいと思っていたが、いざ自分が死ぬかもしれないという立場に立たされたら家に帰りたいと思った」とも言っている。これだと、家は出たいけど鞍馬家の使えるものは使いたいというだいぶ都合のいいことを言っているように聞こえてしまうんですよね。
だからこのシーンは、親に心配かけたことは反省・謝罪しつつ、これからは自分の進むべき道を見つけて自立すると宣言するという形にするべきだったんじゃないかなというのが個人的な印象です。実際インフルエンサーとして祢音個人でも一人暮らしするのに困らないお金は充分稼いでそうですし。

また前回はふわっとはぐらかされましたが、「本当の愛がほしい」という祢音の願いについて、これはあの親子関係を考えると「一人の人間としてちゃんと愛されたい」ってことなんでしょうね。
確かに優勝すればそういう世界にすることも可能かもしれないけど、他のプレイヤーの願いに比べると割と自力で叶えられそうな部類の願いではあるので、ここは親子向き合って自力で叶えてほしい願いだなと思うのが正直なところ。今回のラストシーンを見る限り親子関係修復にはまだ相当時間が必要そうですけどね。

あとは祢音に限らずもし途中で自分の願いが叶ったらどうするのか、という展開は密かに心待ちにしています。

 

 

諦めた者と諦めなかった者

 結局、今回の退場者は奏斗となりました。奏斗はプレイヤーへの攻撃で減点を繰り返してたので妥当といえば妥当なんですが、ゾンビ状態の解決方法がそのゲームをクリアすることという、特撮では王道の「大元となる敵を倒せば解決する」パターンだったのは個人的にちょっと意外でしたね。てっきり解毒用のアイテムが隠しアイテムで用意されていて、それを巡って奏斗と祢音が争うみたいな感じになるのかと。

今回描きたかったのは自暴自棄になり諦めた奏斗と英寿に諭され諦めず戦った祢音の対比だったと思っていますが、奏斗は自暴自棄にならずにポイントを地道に稼いでいれば助かった可能性もそれなりにあったというのは、奏斗の過去も相まって何とも皮肉ですね。他人を陥れようとすると自分に返ってくるよという意味で教育的な話だったなと思います。

 

さいごに

 奏斗の脱落描写を見る限り、生きていても脱落したら消滅してしまうようですね。本当に死んだのか、別のどこかに転送されているのかは分かりませんが。この辺も含めデザイアグランプリのルールの全容は1クール中には説明しきっておいてほしいところです。こういったルールや設定はあまりに伏せた部分が多いと言ったもん勝ちじゃんってなりますしね。