ちらしのうらのせかい

特撮のことから日常のあれこれまで、気ままに綴っていきます

仮面ライダーリバイス第48話「覚悟の証明!これが…日本一のお節介!」感想

前回分はこちら。

chirashinoura-world.hatenablog.com

 

ジョージの目的

 結局ジョージの今回の騒動の目的は、一輝の記憶の策を講じる上であえてやっていたとかではなく、父親への復讐という今となってはただの自己満足に過ぎない行為でしかなかったのはちょっと唖然としました。
前回の感想でも書きましたが、父親である真澄を上回るという意味ではハシビロコウバイスタンプの作成を真澄から依頼された時点で既に達成している訳で。というか、これまでジョージが開発してきたリバイスシステムをはじめとする数々の実績から見ても真澄にコンプレックスを感じている事自体に違和感があるんですよね。
もし真澄がバイスタンプの基礎理論を組み立てたことにコンプレックスを感じているのであれば、バイスタンプを使わないシステムを作らないと「ジョージによる完全独自の開発」は成立せず、ジュウガドライバー・ジュウガバイスタンプは真澄の技術の延長線上でしかないことになります。

なのにジョージはジュウガドライバー・バイスタンプを開発しそれを使って発狂しているので、コンプレックスを感じている対象が分からず、結局この人は何がしたいのかもよく分からなくなる。

 

公式ページの記述を見ると、

「真澄の死に目に会えなかった」ことが結果的に狩崎のタガを外してしまったわけですが、
デモンズドライバーの調整を優先したのは科学者として正しい行動である一方、息子としては間違っていた。
その判断に対して根底に激しい後悔を抱いている狩崎は、認めたくない一心で、正当性を欲した。
だから科学者ジョージ・狩崎としての最高傑作=仮面ライダージュウガの力を使って
狩崎真澄の息子=ジョージ・狩崎を葬ること、これが今回の戦いの正体であると。

www.kamen-rider-official.com

と書いてありますが、まず自分の悪魔を無断で息子に移植した(そもそもなぜ移植できるのかは謎)真澄の最期を看取らなかったのを「息子として間違っている」と断定できる根拠が分かりません。
真澄のあの告白を聞いた時点でジョージはドン引きしてた訳ですよ。真澄自身狂っていたことは自覚していたので、その行為が人道的にもおかしい行為であることに認識齟齬はないと思っています。じゃあ、自分に非人道的な行為を働いた父親の最期を看取らなかったジョージは「間違っていた」ってなんで断言できるのか?看取りに行って賛美されることはあっても、行かなかったことを非難される謂われはないと思うんですけどね。


そして、「仮面ライダージュウガの力を使って狩崎真澄の息子=ジョージ・狩崎を葬ること」というのも何が言いたいのか理解できない。どっから出てきたのその話。少なくともTV本編でそんな話してないと思うんですが...
まあそもそも、今のジョージがこれらを口で周囲の人たちになんの説明もせずいきなり襲い始めるところからしてかなり無理あるんですよね。
結果的に一輝たちと激突することになったとしても、そこにジョージから一輝たちへの説明のフェーズがないのはあり得ないんですよ。対ギフとか赤石ならともかく、仮にもこないだまで味方として共に戦っていた者同士じゃないんかいと突っ込みたくなってしまう。


一方で、濱尾さんの真澄への思いを絶叫する演技自体はとても真に迫っていた感じがあって良かったと思っているので、なおさらストーリーとしての粗さが際立つ結果となったのが非常に残念なところです。

 

一輝の変身の必要性

 今回バイスがジョージの説得アイテムを見つけたんだからそれで充分だというのに対して、一輝は「狩崎さんが真澄さんを超えたいと思っているなら俺たちが戦わなきゃ」と言ってましたけど、これ回答になっていないと思うんですよ。「説得アイテムを携えてなおなぜ一輝が戦わないといけないのか」が説明されていない。これがもし説得アイテムで説得を試みたもののジョージがジュウガになって実力行使に出て、一輝の命が危なくなりやむなく変身とかだったらまだ納得できたんですけどね。

結局ジョージが真澄への素直な思いを吐露できたのは、説得アイテムである真澄との思い出の絵と、一輝の「全部、狩崎さんのアイデアから始まったんですね。真澄さん、すげえ嬉しかったと思います。だって、あなたたち親子の最高傑作ですよ」という言葉によるもの(アルティメットリバイスがジュウガを倒した時点では「まだ終わりじゃない」とジョージは戦意を見せていた)だったから、戦う意味はなかったはず。
「一輝が家族全員の記憶を失う」という状況を作るために大二とさくらの記憶を失わせないといけないから今回一輝が変身する必要があったのはそうだと思うのですが、それはあくまでメタ的な話で、作品世界の中で一輝が変身しなければいけない必然性が弱かった。だから結論ありきの話作りに見えてしまうんですよね。

 

さいごに

 上記で書いてきた話の粗さの他にも、ジャンヌがインビンシブルジャンヌにならずに再変身してジュウガに突っ込んですぐやられたり、唐突なギャグ描写(真澄の荷物漁るシーンや開けゴマのシーン)挟んだりといった点は見てて違和感を覚えました。制作側ってこういうの見てて気にならないのかな。
そして前回書いた部屋のシミの件はウィークエンドのアジトが狩崎家の実家であり真澄の隠し部屋があることを示すヒントとして使われていました。これに関しては最悪放置されることも懸念していたので、とりあえずは一安心。

残すところあと2回ですが、公式ページの次回のカットにアルティメットリバイとアルティメットバイスが対峙しているシーンがあるのでバイスが一輝の記憶を戻すために自らの身を犠牲にしようとする感じですかね。冬映画がある以上バイスが消えるってのはない気はしますが、どうなることやら。