ちらしのうらのせかい

特撮のことから日常のあれこれまで、気ままに綴っていきます

仮面ライダーリバイス第47話「狩崎の反乱、変身の代償」感想

前回分はこちら。

chirashinoura-world.hatenablog.com

 

記憶喪失設定の扱い

 今回ついに両親のことも忘れてしまった一輝。この記憶喪失の件って散々序盤から種まきしてきたのに、ちゃんと尺を使って描かれたのはジーコの一件くらい。しかもその話ではラフレシアデッドマンの力で最終的に記憶を思い出しているので、「忘れてもラフレシアデッドマンの力を使えば何とかなるのでは?」というある種楽観的な可能性を見せてしまっている。

また、話の節々で触れられていたという意味では、第39話で温泉旅行の件、第43話で五十嵐一家は記念日にすき焼きを食べること、第46話で自分の家が銭湯を経営していることを忘れているということ自体は触れられていましたが、それってあくまで設定忘れてませんよアピール程度のものでしかなくて、その事実に対して一輝がどう葛藤し乗り越えていくかという部分が描かれていないんですよね。

多分今回と次回でその展開をやろうとしていると思うんですけど、ギフを倒してもうエピローグに入ったところでこれをやる意味ってあるのか、より正確に言うとなんでこのタイミングになるまでこの話をやらなかったのかなって正直思います。これは先週の感想に書いたジャンヌパワーアップの話と同じですが。
もしやるなら、せめてアルティメットリバイスの力を得て赤石を倒した辺りで両親のことを忘れ、ギフを倒すには一輝の力が必要になるけれどもこれ以上戦うと大二やさくらのことも忘れてしまうかもという恐怖と葛藤する流れにしないと、ただでさえ雑に処理されたギフは何のために出てきたのか分からなくなる。

 

あと今回カゲロウが「何かを得るためには何かを失う。等価交換だ。それを覚悟してお前らも俺たち悪魔と契約したんだろ」とどこかの錬金術師みたいなことを言っていましたが、一輝はともかく、大二やさくらって明確にカゲロウやラブコフと契約してたっけ?その辺りのリバイスにおける悪魔の基本的な設定もずっとフワフワしっぱなしなんですよね。
そういう意味では一輝の記憶が消えたらなんで写真から一輝が消えるのかも未だに分からなくてモヤモヤしてます。仮にそれがバイスとの契約上そうなるものなのだとしても、写真から一輝が消えるなら、一輝の存在が消える=記憶を失うのは一輝の周りの人間の方になるのが自然でしょう。ゼロノスと被るから意図的にずらしたのかもしれませんが、却ってトンチンカンなことになってる。

設定作るんだったら、特に物語の根幹に関わる部分ならなおさらロジックはしっかり作って欲しいと切実に思います。

 

インビンシブルジャンヌの位置づけ

 前回キングコブラバイスタンプ誕生の経緯が全く描かれていなかった(恐らくカットされた?)せいで、キングコブラバイスタンプはコブラバイスタンプが変化したものなのか新たに湧いて出てきたものなのかも分からず、公式サイトの「五十嵐さくらの悪魔「ラブコフ」の成長に呼応してコブラバイスタンプが進化したもの」という記述から前者だと思っていました。

www.tv-asahi.co.jp

しかし、今回(さらに言えば劇場版でも)は普通に通常ジャンヌに変身しているではありませんか。本編で描写しないだけじゃなく、公式サイトの記述とも整合性とれてないっていくらなんでも酷すぎると思うんですよ。
仮にキングコブラバイスタンプがコブラバイスタンプとは別個で新たに誕生したものだとしても、強いことが明確なジュウガに対して手加減できないと宣言しておいて、直接インビンシブルジャンヌにならずに通常ジャンヌを挟むのは意味が分からないけど。

まあインビンシブルジャンヌになっても速攻でジュウガにボコボコにされていたので結果は変わらないんですけど、前話で初登場したフォームが次の回で床ゴロしている姿はあまりに不憫なので、やっぱりインビンシブルジャンヌはもっと中盤辺りで出すべきだったんじゃないかなと改めて思います。

 

ジョージのラスボス化

 ジョージは「人類の未来のため、現存するライダーシステムを、仮面ライダーを駆逐する」と言っていましたが、それが目的なら生身の人間を襲う必要はないのでは?
そもそも今のジョージが彼自身の意志で動いているのかどうか不明瞭な部分はありますが、もしジョージ自身の意志で動いていたとすると行動の動機が理解できないんですよね。
大二が自分たちのドライバーを返却しようとしていたのをジョージが拒絶していたのを見るに、多分「自分の作ったライダーで父親が作成に関わったライダーを全て倒すことで、父親を完全に上回ったことを証明したい」みたいな感じなのかなと思いますが、そもそもジュウガドライバーやジュウガバイスタンプだって過去作られたバイスタンプの技術を応用している訳だからどこまで行っても真澄の名は付いて回る訳で、父親の技術力を超えるという意味では第33話で真澄から依頼されてハシビロコウバイスタンプを作った時点で達成されていると思うんだけど。。。

百歩譲って物語序盤のマッドサイエンティスト感全開の頃のジョージならともかく、ヒロミをデモンズの実験台にした件も赤石に言われて仕方なくやったと謝罪する等すっかり良い子ちゃん化した今のジョージがこういった行動に出るのは疑問でしかないですね。

 

さいごに

 ジョージが今回の騒動を起こした動機については次回でどう説明するのか気になるところではありますが、玉置がウィークエンドを掃除しているときに見つけた黒い汚れも妙に意味ありげだったけどあれは何だったのか。わざわざあんなシーンを入れたんだから、特に何もありませんでした~だけは勘弁してほしい...(去年末の回終わりでさくらが牛島家に行ったときのことを思い出しながら)