ちらしのうらのせかい

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仮面ライダーリバイス第44話「全身全霊をかけて、決断の行方」感想

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ギフの目的

 今回ようやくギフが喋りだしました。というかあの異空間の中だから聞き取れているだけかもしれませんが。
ギフは悪魔を食料としていて、それを生み出す人間がいる地球は彼にとって楽園だった。しかし進化すればするほど人間の闇は極まり、このままでは自ら破滅に向かい絶滅すると考え、あくまで調整という建前で人類を襲っているとのこと。

うーん、なんか理由が釈然としませんね。つまり時代が進み人間の進化が進むにつれて人間同士で争いが激化してこのままだと人間滅びちゃうから争っている人間始末しちゃおうね的なこと?
でも後半のギフの話だと家族認定した五十嵐家以外全員始末するような言い方だったので、上記の認識が合っているとすれば前半で言ってたことと後半で言っていることがちぐはぐだし、最初から調整という建前で五十嵐家以外始末するという意図で言ったのであれば、ギフは今後悪魔を捕食する先がなくなってしまうけどどうするの?という疑問が湧く。五十嵐家が新しい歴史を紡ぐって言ったってその数十年数百年の間ギフは悪魔を摂取できない訳だし、それだったら50年前までのように眠りについた方が良いのではという気がする。そもそも家族認定した人間たちの悪魔を食べるのかって話でもあるけど。

あとギフ関連で言うと、今回アルティメットリバイスの攻撃がギフに効かないって言ってましたが朱美さんに「ギフを倒すにはギフの力が必要」って言われて作ったのがギファードレックスバイスタンプじゃないの?手術に無理やり引っこ抜いたから不完全とかそういう感じなんだろうか。そもそもあれで曲がりなりにも完成してしまっているのが不思議ではあるんだけど。

 

カゲロウ復活

 案の定復活してしまった。いや、復活したことそれ自体が悪いというよりは、第26話の展開を完全に茶番にしてしまったというのが問題かなと思います。
第26話ではクロウバイスタンプの副作用として大二かカゲロウどちらかは消滅してしまうことが発覚。カゲロウは大二に非情さを継承させるため、自ら消滅するよう仕向けて大二との決闘を行った。それなのにカゲロウが復活するということは、クロウバイスタンプの副作用とは何だったのかという話になるし、大二も第26話の戦いを経て非情さと優しさを併せ持った人間に成長しているはずだったのに、(特に第35話以降顕著ですが)実際には何も成長していなかったということになり、これは第26話全否定以外の何物でもない。
これなら、わざわざ大二とカゲロウを決闘させてあたかも大二が成長したかのような見せ方をさせる必要はなかったし、その後の悲惨な扱いを見ているとホーリーライブも出さない方が良かった。今回もヒロミ(体内年齢80歳オーバー)デモンズと相打ちだったし。

それと今回のカゲロウの「てめえ、やっと俺が必要だってことに気づいたか」というセリフもおかしいんですよね。そもそも大二は第26話時点でカゲロウとの共存を望んでいた。だからカゲロウの必要性はこの時点で認識している。なのにカゲロウにこんなセリフを言わせるのって、木下半太さんは自分で書いた脚本のことも忘れちゃったんですかね。このセリフを言わせるなら大二とカゲロウの決闘は大二から仕掛けた形じゃないと成立しないのよ。


そして大二の改心。何がきっかけで改心したのかがイマイチ分かりませんでした。
そもそも大二が対立するようになったのはギフや赤石に勝てないと思って屈服した方が人類を救えると思ったからじゃないの?それなのにカゲロウ復活=万事解決みたいになってるのはなぜなのか。仮にカゲロウが戻ってきてギフに勝てるかもと思ったんだとしたら、アルティメットリバイスが出た時点でそう思えない理由がわからないし、内心自分が間違っていることには気づいていたけど引き返せなかったんだとしたら、なぜ一輝や元太の説得ではダメで今回のヒロミならOKだったのか。家族をテーマにしているのに、この大二対立のくだりを散々引き伸ばした挙げ句、一輝との幾度にも渡る兄弟喧嘩も元太が自分の戦う姿を見せたのも何の意味もなかったのはもう笑うに笑えない。
結局今回の争いの直接的な火種になった朱美さんの死の誤解についても急に触れられなくなったし、話の作り方が下手すぎる。

エビリティライブは格好良いし挿入歌も良かったし、ヒロミの満を持してのデモンズ変身も良かったけど、上記の通り話の筋が通ってなさすぎて台無し。本当にもったいない。

 

真澄の最期

 ジョージがデモンズドライバーの調整を優先して父親である真澄の死に目に会えず、喧嘩別れのような形で終わってしまったので次回以降のジョージの動向は気になるところではありますが、結局真澄は何が原因で死んだのかよくわからなかったし、死にそうなのに頑なに仮面やフードつけたままだったり違和感あるところが目立ってなかなか感情移入ができませんでした。
というかウィークエンドに医療班的な人いるなら元太からギフの細胞取り出す手術のときなんでいなかったの?

 

さいごに

 カゲロウが復活して大二が戻ってきてギフを封印してめでたしめでたしみたいな感じになってましたけど、普通に考えてギフがあの異空間のゲートを開けられない訳ないんだからそりゃ戻ってきますよね。
大二周りに関してもようやく一段落つきましたが、上でも書いた通り対立に至った理由と戻ってきた経緯が噛み合ってなくて終始もやもやした回でした。カゲロウが復活したあのシーン単体で見るとそれ自体は格好良く見えるんだけど。さくらの「見てください、これが私の自慢の兄たちです!」も性格的に言わなさそうな上にタイミングも唐突すぎて違和感しかないし。
そしてなんとオルテカも異空間で繭の中に閉じ込められていて一応生きているみたいですが、彼に関してはやったことが外道すぎるので変に改心したりせずにきっちり退場してほしいところ。