ちらしのうらのせかい

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仮面ライダーオーズVシネマ「復活のコアメダル」感想 この作品で描かれた”いつかの明日”とは

 TV本編から10周年を迎え、2021年11月の東京国際映画祭で制作が発表された仮面ライダーオーズ 「復活のコアメダル」。キャスト・スタッフ陣、あらすじ、新フォームなどの情報が公開される中期待と不安の間で揺れる4ヶ月を過ごし、満を持して迎えた劇場公開日。

実際にこの目で見た直後は困惑の思いが大きくなかなか気持ちの整理がつかなかったのが正直なところで、少し時間を経た今ようやく自分の中でもこの作品への思い整理できてきたので、一感想として残しておきたいと思います。

 

まず結論から言うと、個人的にはこの作品に対しての評価は賛2:否8くらいの比率で否寄りです。2割の賛の理由はオリジナルキャストがほぼ勢揃いしたこと、そしてそのキャスト陣の演技力の高さ(現役で役者業をされている皆さんはもちろん、現在既に役者の仕事をほとんどしていないメンバーも当時と遜色ない演技が見られた)が全てで、否に至った理由についてはこの後述べていきます。

 

この作品の結末

 今作では「復活のコアメダル」ということでアンクの復活に焦点を当てたストーリーとなりましたが、この場合大筋の結末としては以下の4パターンが考えられると思います。

①アンクが復活、映司も生存

②アンクが復活するも再び消滅、映司は生存

③アンクが復活、映司は死亡

④アンクが復活するも再び消滅、映司も死亡

②に関しては、MOVIE大戦MEGA MAXや平成ジェネレーションFINALで既にやっている内容なので、これをやったところで二番煎じ、三番煎じにしかならない。

となると候補は①③④のいずれかになりますが、オーズ10周年記念で新作やるぞ!ってタイミングで③④をやるか普通?って率直に思うんですよ。確かに映司は畳の上で死ねるタイプの人間ではないだろうなとは思うけどさ…

特にオーズは東日本大震災当時にやっていた仮面ライダーということもあり、辛い時期にこの作品に勇気づけられた視聴者の人もいるでしょう。それをわざわざ10周年記念の新作と期待して見に来た人を絶望に突き落とすような結末にする必要がどこにあるのか。

ただでさえ最近の東映のTV本編外作品の傾向として、ジオウvsディケイドやバルカン&バルキリーのように、とりあえず主要キャラ死なせておけば盛り上がるだろというような安易な思考を感じますし。

 

結末に至る過程の雑さ

 百歩譲って上記の③の結末を描く方向でとしても、今作はその過程だったり設定がすごく雑なんですよホント。死ぬべくして死んだのではなく、最初から映司が死ぬという結論ありきで今回のストーリーが作られている感が見え見えで「なんでそうなるの?」というポイントが多すぎて強い違和感を覚えざるを得ない。

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