ちらしのうらのせかい

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仮面ライダーリバイス第1話「家族!契約!悪魔ささやく!」感想

次回分はこちら。

chirashinoura-world.hatenablog.com

 

 

 期待と不安の中迎えたリバイス初回。毎年初回ってこんな感じでそわそわしながら見ていますが、今年は希望の持てる第1話だったんじゃないかと思います。

 

分かりやすいストーリー構成

 30分番組という正味20分強の限られた時間の中で、どういう世界観なのか、主人公はどういう人でどういう立ち位置なのか、主人公の目的は何なのかという要素がきちんと盛り込まれ、三幕構成もしっかりしていて見やすかったというのが率直な印象。

今回で言うと、
設定:バイスタンプの起源となる謎のスタンプの発掘シーン、デッドマンズのアジトでの人々を扇動するシーン、フェニックススカイベースのシーン、銭湯・夕食のシーン(一輝や家族、常連客のキャラ紹介、バイスの認識)、死刑囚からデッドマンを生み出すシーン
対立:フェニックス分隊長任命式でのデッドマンズ出現と襲われる人々のシーン
解決:悪魔との契約をしてリバイスに変身しレックス・デッドマン、マンモス・デッドマン撃破するシーン、リバイスドライバー返却シーン
という感じ。それぞれのパートで描きたいことが明確で、流れも自然なので違和感なく見られるのが素晴らしい。

やっぱり第1話って主人公をどう描くかがかなり重要になってくると思うんですけど、一輝は銭湯での常連客との触れ合いや家族との団らんのシーンで主人公の人当たりの良さや明るさが分かるし、フェニックス分隊長任命式でデッドマンズが出現したときも率先して避難誘導しているところから、正義感の強さも伺える。そして銭湯を自分の守るべき場所としてして強く意識している一方で、大二との風呂での会話で発覚したサッカー選手の夢を諦めた過去という影の一面も持っている。もしかしたらこの辺りはバイスが生まれたこととも何か関係があるのかもしれないという想像も捗る。
やっぱりスッと頭に入ってくる話だと見てて楽しいですね。

 

バイスドライバーとリバイスの有資格者

 簡単におさらいすると、まず50年前に中南米で謎のスタンプが発見された。そして30年前にジョージ狩崎の父親(故人)が人間の中に潜む悪魔を分離することができるバイスタンプを発明。デッドマンズがそれを悪用しようとしたためジョージが対抗策として、人間の体内に潜む悪魔に人間の体内に眠る生物種の遺伝子の記憶をミックスして能力化するシステムを完成させた。それがリバイスドライバー。

これまでの多くの仮面ライダーの例に漏れず、このリバイスドライバーも誰でも変身できる訳ではないようで、実際ジョージに「君では悪魔を飼い慣らせない」と忠告されたフェニックスの司令官(門田ヒロミ)は変身を試みるも失敗し、その上レックス・デッドマンを解放してしまう。
ただ「限られた人間しか変身できない」と説明するだけではなく、じゃあ実際無資格者が変身を試みたらどうなるのかまで描いて視覚的に理解させるところが良いなあと。

そんなリバイスの有資格者、元々選ばれたのは大二で、実際ドライバーとバイスタンプを手にするところまでは至っているのですが司令官が変身失敗しているのを目の前で見ているのもあってか変身をためらってしまう。そこで後述の通り結果的には一輝が変身することになる訳ですが、一輝が変身できたのは大二が元々有資格者で、その血の繋がりがある兄だから遺伝子的に一輝も有資格者だったと考えるのが自然でしょうか。

 

命の危機に瀕した状況において危険な橋を渡る決断ができた者とできなかった者で、未来が変わってしまったこの兄弟。大二にしてみれば、元々は自分がリバイスの有資格者だけどあの瞬間決断できなかったのは自分の責任ではあるから一輝を恨むのは筋違いだし、かといってフェニックス所属の一輝のサポーターとしてのポジションは自分の中でモヤモヤしする部分はあるだろうから難しいところですね。
制作発表会見のときに日向くんは変身する宣言(決定事項)をしていたので、この感情をどう乗り越えて仮面ライダーになるのかは気になるところではあります。

 

それはそれとしてフェニックスという組織、なんとなく裏で非人道的なことやってそうな気はする(偏見)。

 

一輝の変身経緯、悪魔との契約

 仮面ライダーをはじめヒーローは「どうやって(どうして)主人公はヒーローになったのか」というところが重要な訳ですが、番組の触れ込みにもあった「悪魔との契約」が名前だけじゃなくちゃんとその体を成しているのは良かったなと思いました。

一輝の場合、今回変身したのはあくまで目の前で襲われる大二、さくら、幸実母ちゃんといった大切な家族たちを守るためであり、命の危機に瀕した状況でやむなくバイスの誘いに乗るしかなかったという状況。映画やセイバー増刊号、そして今回と結構コミカルな描写が目立つバイスですが、実体化直後に(実体化前は夕飯のときも)幸実母ちゃんを食おうとする怪物としての一面も見せており、そんなバイスを一輝がリバイスドライバーを使うことでなんとか制御しているギリギリの綱渡り状態。
バイスからしたら悪魔なので当然人より腕っぷしは強いけど一輝が死ねば自分も死ぬ一心同体で、一輝がいないと実体化もできない。一方で一輝もデッドマンズと戦うにはバイスの力が必要だけど、下手すれば人をも食ってしまうかもしれないこの一見コミカルな悪魔を制御しなければならない。まさに悪魔をもって悪魔を制す、悪魔との契約。なのでバイスのコミカルさと危うさを今後どう扱っていくかでこの作品の評価はだいぶ左右されそうな気がします。バイスの生まれた経緯やなぜ一輝にだけ見られるのかなど、話を広げる要素はあると思うのでうまくやってほしいですね。

バイスドライバーの使い方についても、一輝は前述の通り司令官が変身しようとしているところを見ていたのでスタンプを押すところまでは把握していて、それ以降の動作はジョージが教えているのも芸が細かい。欲を言えばジョージには1号の変身ポーズとるよりは最後のスタンプ倒すところの動作をやってほしかったけど(多分あれだと一輝が直感的に理解した感じになってる)

そしてリバイ&バイスの戦闘ですが、建物や壁をぶっ壊しながら戦う様はとても派手でした。二人が合体する必殺技も今日見られるのかなと思いましたが来週までお預けっぽいですね。
ラストでは一輝がリバイスドライバーも返却しているのが個人的に好印象。上述の通り今回はあくまで緊急事態でやむを得ず変身しただけですからね。ここから次回以降、一輝が仮面ライダーとして戦う決意をどういう形でしていくのか楽しみです。

 

それにしても、最初から周囲(アギレラがテレビカメラどうしたのか不明なので多分家族と常連客、フェニックスくらいだけど)に正体バレしてるライダーというのもなかなか珍しい。

 

デッドマンズ

 デッドマンズの3人はそれぞれ外見からしてとても特徴的でインパクトありますね。
「私は誰でもない。君たちもそうだ。誰でもない。」
「我慢は終わり、悲しみも終わり、見せかけの幸せも終わりだー!」
「生贄を集めて、人間の体の中の悪魔を解き放って、この世のくだらない秩序を破壊しちゃう。全てはギフ様の復活のためだよ!」
言葉巧みに人々を扇動する様子はまるでカルト宗教のよう。


ジョージの言葉からすると彼ら自身は人間のようですが、どういう経緯でデッドマンズ結成に至ったのか、ギフとはどういう存在なのか、気になるところが満載で今後が楽しみです。
何よりアギレラ様超かわいい。グラシアス、デッドマンズ!

 

 

さいごに

 バイスが第四の壁を超えて視聴者に話しかけてくるところはあんまりやりすぎると物語への没入感が薄れるので多少心配な点ではあるんですが、TTFCの望月Pと脚本家の木下さんのオーディオコメンタリーで木下さんが「第四の壁は一歩間違えば物語をぶっ壊す」という趣旨のコメントをされてたので、その辺はうまくバランスとってくれると信じてます。
また、「目の前で起きていることを簡単に信じないように!」とも言っていたので、一輝のサッカー選手の夢の件とかフェニックスという組織とかは個人的にちょっと怪しんで見てます。
また来週に期待!