ちらしのうらのせかい

特撮のことから日常のあれこれまで、気ままに綴っていきます

仮面ライダーセイバー最終章「終わる世界、生まれる物語。」感想

前回分はこちら。

chirashinoura-world.hatenablog.com

 

賢神たちの退場の雑さ2

 先週の感想でも書きましたが、残る1体の賢神もあまりに倒し方が雑すぎる。なんで実力が拮抗している訳でもなく圧倒的に賢神に押されているのに、猿飛忍者伝とランプドアラジーナのワンダーライドブックを交換しただけで逆転して倒せているのか意味が分からない。こんな雑な倒し方させるなら最初から賢神を全盛期以上の実力で復活させたとか設定盛るなよ...
公式サイトにもこの件について長々と書いてありますが、結局これって無茶な設定作ったことで渡辺アクション監督を困らせただけだろ。「かっこよく見応えたっぷり」なことと「説得力を持たせる」ことは決してイコールではない。

 

44章の四賢神/ロード・オブ・ワイズたちの初登場の際に大秦寺のセリフでも少し触れられていました“剣技はすべて賢神たちが生み出したもの”という設定。その賢神たちを倒すにはどうしたらいいのか…。普通の剣技で倒してしまうと設定から説得力を持って視聴者の方は見てくれないだろうと…。
そこで渡辺アクション監督が苦心して、熟考に熟考を重ねてそれぞれの戦い様を考えてくれました。
剣斬とスラッシュのペアでは、スラッシュの銃撃の援護を受けつつデザストから譲り受けたライドブックと必殺技・カラミティストライクを放って撃破。
バスター・スラッシュのペアではスラッシュはバスターの装甲の強さ、尾上の覚悟を信頼してバスターごと必殺砲を打ち込み、
サーベラ・デュランダルのペアではあえて相手の技の餌食になり、身動きを止めたところを折れた時国剣で突き刺して命からがら倒すことに成功。
そしてエスパーダ・剣斬が見せた戦いでは自分の磨いてきた技ではなく、研鑽しあい知り尽くした相手に変身アイテムとなるブックを預けて、信頼の上に成り立つ強力な技を繰り出しました。
どれもかっこよく見応えたっぷり!!

 

仮面ライダー公式ポータルサイト KAMEN RIDER WEB」より引用。

www.kamen-rider-official.com

 

穴から上がってくる飛羽真

 前回ストリウスに落とされた穴から上がってくるときの飛羽真の絵面があまりにシュールすぎる。完全につり革に掴まってる人じゃないですかあれ...

 

生身で止めに入る倫太郎と賢人

 倫太郎と賢人が生身でストリウスを止めに入るシーン、思いっきり聖剣の刃の部分素手で触ってるんですけど、誰かおかしいと思わなかったのあれ...しかも散々セイバーを圧倒しているストリウスがなんで生身の人間2人に抑えられてるのかも分からないし。
変身後に、セイバーがワンダーオールマイティーライドブックで戦ってるときにブレイズがライオン戦記、エスパーダがランプドアラジーナで戦ってるのも、完全に「初期フォームで戦った方がエモいだろ」というだけなのが見え見えで、そこに何のロジックもなくて見てて興醒めでした。ラスボス相手に最強フォーム使えるのに初期フォームで挑むってどう考えても舐めプ以外の何物でもないでしょ。

 

崩壊する世界の復活

 元々世界の終わりは全知全能の書に記されていて、ストリウスを倒そうが倒すまいがその結論は変わらないという話だったと思うんですが、なんで世界は救われてるんでしたっけ?と思っていたら最終回まで公式サイトにいつもの言い訳がましい解説が書いてありますね。

 

物語を失い消滅してゆく世界が、人々が心に抱いた「大切な物語」で満たされたことで崩壊を防いだように、飛羽真自身も「ワンダーストーリー」を書きあげることで新たなワンダーワールドを構築し、再び世界の安定を取り戻したのです。

 

仮面ライダー公式ポータルサイト KAMEN RIDER WEB」より引用。

www.kamen-rider-official.com



えっと...そんな簡単に全知全能の書の内容を捻じ曲げられるの?ワンダーワールドの守護者になったら現実世界に干渉できないんじゃなかったっけ。飛羽真はラストで普通に現実世界に戻ってきてるし。これじゃ世界を救うためにワンダーワールドの守護者になるか現実世界に留まるか苦悩してたのがバカみたいじゃないですか。
ユーリもなんで復活してるのかも分からないし、マスターロゴスやストリウス、ズオス、レジエル、バハトがなぜ浄化された霊みたいになっているのかも分からない。
話に矛盾が多すぎるし、ピンチもほぼほぼ「そのとき不思議なこと」が起こった!」で解決してるし、真面目に考えるのが馬鹿らしくなる。


一般公募のシーン

 こんなこと言うのも野暮かもしれませんが、あのシーン、子どもと親子のだけ採用した方が良かった気がします...大きなお友達が画面いっぱいに映ってる様はなんというかその...ねえ。。。

 

来週は増刊号という名の特別編がありますが、本編としては今回が最終回ということで簡単に総括。
率直に言って、本当何もかもが制作陣からの一方通行で、最後まで悪い方向で評価が変わらない作品でした。今回に限っても、上記で上げた点の他にもヒューマギアを紛れ込ませたり、これまで散々飛羽真と会話してたルナに「やっと君を見つけた」と言わせたり等不可解な点は多かったですし、何より本編だけで理解させる気のない構成なのが印象悪すぎる...最終回までこの有様ですからね。

もうちゃんとまとめられないなら高橋Pにはプロデューサーやらせないでほしい。