ちらしのうらのせかい

特撮のことから日常のあれこれまで、気ままに綴っていきます

仮面ライダーセイバー第1章「はじめに、炎の剣士あり。」感想

 ゼロワンに引き続き、セイバーも感想ブログを続けようと思っているのでよろしくお願いします。

 

 9月6日(日)より放映開始された仮面ライダーセイバー、手掛けるのは高橋一浩プロデューサーと脚本家の福田卓郎氏。このコンビの作品といえば仮面ライダーゴーストが挙げられるが、ゴーストはVシネや小説は良かったもののテレビ本編としてはお世辞にも良い出来とは言えないものであった。(説明ゼリフの多さ、タケルの死→復活の繰り返しによる命の扱いの軽さ、雑な事件解決・人物(偉人含む)描写など)
このため、セイバーもゴーストの再来になるんじゃないかという不安はある一方で、エグゼイドから昨年のゼロワンのような逆パターンもあるのでわずかばかりの希望も抱えた何とも言えない心境の中セイバーが始まった。

 

 

第1話を見て率直に思ったのが「戦隊っぽい」。何をもって戦隊っぽさを感じたのかというと、

  • 話のシンプルさ
  • 変身バンク
  • 敵の巨大化(これは今回のメギドがゴーレムだったからかもしれないが)
  • EDダンス

といった点が挙げられる。


まず話のシンプルさについて、決して致命的に酷いところがあるとかそういう訳ではない。主人公の飛羽真は子ども好きで自他問わず約束を大事にする性格で口調がぺこぱの松蔭寺っぽかったり、ヒロインの芽依がハイテンションで人との間に壁を作らない性格だったりとキャラは立っているし、家族と離れ離れになってしまった子どものために奮闘する主人公という構図も全うにヒーローしてるなと思う。

ただ、もうあと一歩が足りないのだ。例えば、なぜ飛羽真は変身の仕方や戦い方を知っていたのか。Wやウィザードのように物語開始当初時点で既に仮面ライダーとしての戦闘経験があるならともかく、第1話が初変身の場合はどう変身するのか、どう戦うのかを知らずに戸惑うのが普通である。前作のゼロワンでは初変身の際ゼロワンドライバーを装着した直後に衛星ゼアに接続しその使い方をラーニングした。飛羽真は今回が初変身だったので、その辺りの理由付けが欲しかった。
もしかしたら、「普通のホモサピエンスには抜けない聖剣を抜いた=飛羽真も実はワンダーワールドの人間であり剣術の素質がある」ということなのかもしれないが。

 

話をシンプルにするということは視聴者、特に小さい子どもに理解しやすいというメリットはあるかもしれないが、それ故に元々ライダーより対象年齢が低めに設定されている戦隊との差別化が難しくなり、ニチアサで戦隊を2作品見せられているような感覚になる。
せっかくライダーの対象年齢は戦隊よりも少し上に設定されているのだから、ライダーではもう少し踏み込んだストーリーにして欲しい。

 

変身バンクに関しては、ライダーでは平成ライダー以降使われていなかったものであるが、戦隊では今も使われている。演出自体は格好良いのだが、今後ライダーの人数が増えて同時変身するときにこの演出が入ると、配色がそれっぽく分かれているのも相まってその絵面はもはや戦隊である。

 

敵の巨大化については過去のライダーでもやっていたのでこれ単体ではそこまで戦隊感はないかもしれないが、他に挙げた要素も合わせて見るとやはりそう感じてしまう。タイムマジーンやブレイキングマンモスのようなロボ型兵器が出なかった分まだ良かったが、ライダーでも巨大な敵とロボがデフォルト化されてしまうとこれも戦隊との差別化ができにくくなってしまう。今回はメギドの種類がゴーレムだから巨大化しただけだと思いたい。

 

そして特に気になったのがEDダンス。途中でダンスじゃないシーンが入ってて視聴者にも一緒に踊ってもらう感が感じられないし、ED曲がダンスとマッチしていないように見受けられる。(そもそもダンス曲として作られている訳ではないと思われるが)
戦隊でEDダンスが定例化しているから入れたのかもしれないが、そこまで戦隊に寄せる必要があるのだろうか。
曲自体はとても格好良いので、映像はダンスじゃなくてキャラ同士の絡みとかその回のダイジェスト映像にした方が合っていると思う。
あとEDの方がOPっぽくて好きです。OPは逆に曲調的にED向きなんじゃないかという気がする。


一方で演出について、今回セイバーのスーツアクターを務めるのはキョウリュウグリーンやジュウオウイーグル、仮面ライダーバルカンなどのキャラを演じてきた浅井宏輔氏。ウラ仮面ライダーでの柴崎監督の話によるとジュウオウジャーのときの剣捌きや飛羽真のキャラクター性からくるセイバーのイメージから抜擢されたとのこと。飛来する岩を火炎剣烈火で蹴散らし、ゴーレムメギドを倒す剣捌きは期待に違わない格好良さだった。
また初回ということもあり、CGで本のページやシャボン玉が舞い、ステージチェンジで全く別の世界に飛ばしたり、芽依たちを吸い込もうちしたりなど大盤振る舞いだったが、今後も同じような演出ができるのか予算面が気になってくる。

 

 まとめると、1話時点の感想としては至極無難で、松蔭寺の言葉を借りるならまさに「悪くないだろう」といったところ。基本明るい作風のようなので、途中退場の可能性が低そうなことを考えると多人数ライダーを持て余さずに活躍させられるのか、そしてCGの演出が今後も続けられるのかが心配。飛羽真の回想にいた女の子の正体も気になるので、とりあえず今後を見守っていきたい。


そういえば、ファンタジック本屋かみやまの中に貼ってある男湯と女湯は何なんだろうか...笑